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塾長 ブログ

オルタナティブな物の見方の復活だ

2025/1/19

    アメリカ大統領選挙はトランプ氏が2回目の大統領に選ばれる結果となった。大統領就任式は毎回、1月20日にワシントンD.C.の連邦議会議事堂前で行われる。
    8年前の2017年1月20日。トランプ氏が初の大統領就任式に臨んだ時のこと。観客数が「過去最少だった」と報じた米メディアにトランプ政権が反発。就任式後報道官は「観客数は過去最多だった」と述べました。
    報道官の発言後、米NBCテレビの討論番組に出演した大統領顧問コンウエイ氏は、司会者の「報道官はなぜ、ウソだとすぐにバレル発言をしたのですか」という問いに対し、「ウソではなく、彼はオルタナティヴ・ファクツ(alternative facts)を示したのです」と答えました。
    司会者は「Alternative facts are not facts. They are falsehoods.(代替の事実」は事実ではなく、偽りですよ)」と返しました。

    「同じ物事を見ていても、見ている人が変われば見え方も違って見える。だから両方ともfactsなのだ」という話しの進め方を今風に言えば「コンウエイ構文」と言うのでしょう。しかもfactではなく、factsという複数形ですから、何を言っても「俺は正しい」という無敵の論法なわけです。

    integrity(高潔さ)を取り戻せ

    2025/1/15

      アメリカ第一主義。「ぶっちゃけ本音でいこうぜ」がトランプ氏が大統領に再選されたアメリカ国民のマインドなのでしょう。検察官出身で、「アジア系、女性初の大統領」を目指したハリス氏のいかにも民主党候補者らしい、経歴や立ち振る舞いに対し、品が悪くても自分の腕一本で成り上がった独立独歩のおじいさんの方がええやんというアメリカ人の本音が出た(キラキラよりもギラギラが愛された)結果でしょう。
      おそらく多くの日本人の中にあるステレオタイプなアメリカ人は、東海岸(東部)か西海岸(西部)の人のように思われます。高学歴で高収入。自由を愛し、世界の最先端を行く国のカッコいいアメリカ人。
      でも、アメリカには南部や中西部もあり、一度も外国に行ったこともなければ、世界に英語の通じない国があるとは想像もしない、閉鎖的/保守的な人たちもたくさん住んでいるのです。
      世界のリーダーたる、自由を愛し、民主主義を信奉するアメリカ人というのは、もしかしたら誰も信じない架空の人物になってしまったのかもしれません。でももう一度、オバマ大統領が再選され、不正や不実のない、世界に誇れる:世界が憧れるアメリカ像を取り戻してはくれまいかと空想してしまいます。

      He is taller than I/me.

      2025/1/12

        中2で習う比較級。He is tall. > I am tall.
        tallを比較級に、「~よりも」のthanを使って合わせると、
        He is taller than I am tall.〈経緯説明のための仮の文〉

        ここから、共通部分〈be tall〉を省略すると、
        He is taller than I.〈完成した実際の表現〉

        となりますが、少し気取った表現のように受け止められる場合もあるようです。
        それを回避するために、口語では、Iの代わりにmeが使われます。
        (1) He is taller than I.〈formal〉
        (2) He is taller than me.〈informal〉

        thanはthan、「…よりも」の意味なのですが、
        (1)のthanは、I (am tall)というS+Vを従えていたので「接続詞」。
        (2)ではmeという目的格を後ろに従えているので、thanは「前置詞」とみなされます。

        中学での文法学習が必要

        2025/1/8

          新学期が始まりました。学校での授業を再考しましょう。
          「使えない英文法を教えるのではなく、表現したいことをアウトプットする授業へ」の旗印の下、文法は最小限にとどめ、生徒同士が英語で意見交換したり、意見をプレゼンテーションできることを「目指す」授業が行われていると思います。現行の学習指導要領に沿うなら、そのような解が一番導かれやすいですね。
          でも、それは学習初期の児童・生徒にとって最良手と言えるでしょうか。
          駿台予備学校・竹岡広信先生のお言葉です。
          『中学校では徹底的に文法を体系化して教えるべきだと思います。ここ数年、We hasの類のミスをする人が非常に多くなってきました。これは中学での中途半端な文法軽視が原因だと思っています』

          大学入試〈英語〉やその後のTOEIC・TOEFLまで学習が継続されるよう、教員は「英語学習の初期に備えるべき文法」を的確に指導することが重要です。「語彙学習と文法学習」という両輪を、バランス良く回していくことが学習者の基礎体力獲得に繋がります。

          減点方式の教育に問題がある

          2025/1/5

            お正月休みも終了。今週は学校も始まります。
            今年初回の話題を、内田樹『待場の身体論』(pp.179-181)より引いてみます。

            今の学生たちの学力がいちばん低い教科って、実は英語なんです。「英語ができなくっちゃダメです」とあれほど文科省が叫んでいるのに、学生たちの英語力は急坂を転げ落ちるように年々劣化している。(中略)
            それは英語が減点方式だということに関係があると思います。英語の場合は、ネイティブ・スピーカ―がしゃべる英語が理想形として示されている。でもそれは、日本人がどんなに努力しても絶対にたどり着けない到達点です。それも教養があって、育ちのいいネイティブ・スピーカーが理想とされる。でも、ふつうに学校で英語を勉強しただけで、オックスフォードやケンブリッジを出た者が話すような英語にたどり着けるはずがない。でも、それが到達すべき理想形であるから、あとはそこからの減点法で査定される。(中略)
            数学や古文といった教科は、とにかく断片を積み上げてゆく。少なくとも、「目標となるべき数学者」とわが身を引き比べて、劣等感に悩むというようなことはない。(中略)

            本当にそうだなと思います。学校の体育でサッカーを習って、なぜプロ選手みたいに上手くプレーできないのか悩む生徒はいないし、そうならないことに不満を持つ親もいないでしょう。
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