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塾長 ブログ

disciplineが必要だ

2025/1/29

    「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」のCMがテレビで流れたのは1970年代。今から50年ほども昔の丸大食品のキャッチコピーだ。
    この頃から家庭における子育ての方針が変化してきたのではないかと言われている。それより以前は、経済的な富裕層が少なく、勤勉・努力が子供たちに求められた。人に迷惑をかけず、周囲と調和して生活することがもとめられたのだと思う。キャンプ場などの施設では、「使う前より美しく」して場を去ることが当然だった。「清貧」という言葉でも表せるかもしれない。
    「わんぱくでもいい・・・」後は、自分の欲望を隠さず「楽しく愉快に元気よく」が台頭する。周囲の人が何を思っているかをおもんぱかったり、周囲に自分を同調させる気遣いよりも、自分の気持ちを素直に表すことが「子供らしい」として評価されるようになる。
    そういう変化は一社会施設でもある学校にも波及した。もちろん、自制的であるよう子供を躾ける家庭も多いから、「自分が思ったようにやる」生徒は過半数を占めることはない。だが、クラスに一人なら「異端児」でも、複数人になると集団に対して一定の影響力を持つようになる。
    「生徒にdisciplineが必要だ」との言葉をペアを組んだネイティブ教員から何度も聞いてきた。discipline[dísəplin]とは「訓練・規律」を意味する。こういうことを外国から日本にやって来た人に指摘されなければならない状況は、「自由」を間違って取り入れた日本人が甘受するしかない。

    each otherは代名詞

    2025/1/26

      「お互い」と「お互いに」、日本語では区別して使用している人はほとんどいないのではないでしょうか。その日常意識のまま英語で用いると思わぬ間違いをしてしまいます。
      each otherは代名詞で「お互い」の意味
      他動詞/前置詞の目的語のポジションに入ります。
      「二人は互いを見た」
      ×They looked each other.
      〈lookは自動詞なので目的語をとれない。前置詞at「…を」を使って、その目的語とする必要がある〉
      〇They looked at each other.
       
      「彼らは互いを愛している」
      ×They love with each other.
      〈loveは「…を愛する」の意味の他動詞なので、すぐ後ろに目的語を置く。前置詞は不要である〉
      〇They love each other.

      新課程・共通テスト〈英語〉は

      2025/1/22

        昨年度のような「超」がつくような長文が姿を消し、総語数が減少。難語も見られませんでした。大学入試センターが事前に公開していた「試作問題」も同様の形式で問4・問8に採用され、受験生としては落ち着いて解答し、まずまず「できた」と思えたのではないでしょうか。
        私も長年、高等学校の入試問題を作問してきましたが、この「できた」という感覚を受験生に持たせることのできる問題を志向しました。受験生が解けないような問題はいくらでも作れるのですが、解答していく中で内容が整理され、入試問題であっても「読めて、考えられてよかったな」と思ってもらえるような問題を作り出せるかどうかが重要です。そういう点で、今年の共通テスト〈英語・リーディング〉は十分に合格点だし、共通テスト5年目にして一つの「到達点」に達したと言えるデキだと思います。
        文法的には、第8問 Step1のChistineの第2文で、形容詞involvedの後置修飾”~to share the huge costs involved”がありました。
        また、Meilinの最後の文で、be動詞の省略と同格thatの省略がありました。“The deeper into space we travel, the greater the likelihood (is/becomes) (that) Earth will be discovered by…”
        今年の共通テストで文法的説明の必要な個所はこの2か所くらいでしょうか。
        作問に当たられた先生方、お疲れさまでした。素晴らしい「作品」になっていたと思います。

        オルタナティブな物の見方の復活だ

        2025/1/19

          アメリカ大統領選挙はトランプ氏が2回目の大統領に選ばれる結果となった。大統領就任式は毎回、1月20日にワシントンD.C.の連邦議会議事堂前で行われる。
          8年前の2017年1月20日。トランプ氏が初の大統領就任式に臨んだ時のこと。観客数が「過去最少だった」と報じた米メディアにトランプ政権が反発。就任式後報道官は「観客数は過去最多だった」と述べました。
          報道官の発言後、米NBCテレビの討論番組に出演した大統領顧問コンウエイ氏は、司会者の「報道官はなぜ、ウソだとすぐにバレル発言をしたのですか」という問いに対し、「ウソではなく、彼はオルタナティヴ・ファクツ(alternative facts)を示したのです」と答えました。
          司会者は「Alternative facts are not facts. They are falsehoods.「代替の事実は事実ではなく、偽りですよ」と返しました。

          「同じ物事を見ていても、見ている人が変われば見え方も違って見える。だから両方ともfactsなのだ」という話しの進め方を今風に言えば「コンウエイ構文」と言うのでしょう。しかもfactではなく、factsという複数形ですから、何を言っても「俺は正しい」という無敵の論法なわけです。

          integrity(高潔さ)を取り戻せ

          2025/1/15

            アメリカ第一主義。「ぶっちゃけ本音でいこうぜ」がトランプ氏が大統領に再選されたアメリカ国民のマインドなのでしょう。検察官出身で、「アジア系、女性初の大統領」を目指したハリス氏のいかにも民主党候補者らしい、経歴や立ち振る舞いに対し、品が悪くても自分の腕一本で成り上がった独立独歩のおじいさんの方がええやんというアメリカ人の本音が出た(キラキラよりもギラギラが愛された)結果でしょう。
            おそらく多くの日本人の中にあるステレオタイプなアメリカ人は、東海岸(東部)か西海岸(西部)の人のように思われます。高学歴で高収入。自由を愛し、世界の最先端を行く国のカッコいいアメリカ人。
            でも、アメリカには南部や中西部もあり、一度も外国に行ったこともなければ、世界に英語の通じない国があるとは想像もしない、閉鎖的/保守的な人たちもたくさん住んでいるのです。
            世界のリーダーたる、自由を愛し、民主主義を信奉するアメリカ人というのは、もしかしたら誰も信じない架空の人物になってしまったのかもしれません。でももう一度、オバマ大統領が再選され、不正や不実のない、世界に誇れる:世界が憧れるアメリカ像を取り戻してはくれまいかと空想してしまいます。
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