エキップ英語教室 エキップ英語教室

大阪府 豊能郡 能勢町 下田尻1060

塾長 ブログ

本当に残念な言葉

2024/5/25

    学校勤務時代、残念なことは多くあったが、「本当に残念なこと」は幸い僅かしかなかった。その一つに中学校勤務時代に遭遇することになる。
    37年間の教員生活の中で、中学校に合計して7年間勤務した。私立中学校なので、全員が中学受験を経て入学してくる。全員が全員というのではないが、自分の志望校ではなく、また親の希望校でもなく、塾の指導によって、合格する可能性だけを考えて出願校を決定する場合があるようだ。こうなると、入学時点から完全に「負の思考」を周囲に撒き散らしてしまう場合がある。
    「あー、英語か。だるー。嫌な科目が一つ増えた。うざー」これを聞いた時は本当に耳を疑った。英語という外国語との新しい出会いに、希望に目を輝かせて来るものだとばかり思っていたから、本当にまさかまさか、そんなことを考えたり、ましてやそれを口に出して吐き出してしまう生徒がいるなんて。未だに忘れもしない、本当に残念な言葉だった。

    省略の美学と補強の論理

    2024/5/23

      日本語は共感性を前提としているから、書かれていないことを補って理解することが日常となっている。それが普通なものだから、そこに「何か書かれていないことがある」ということに気づかない。
      例えば、朝日新聞の「天声人語」はどうだろう。日本語らしい「非論理の典型的な文章」と言ってよい。こういう文章に接するとほっとすると感じる人もいるだろう。だが、天声人語的文章を国語の記述指導に持ち込まれると、英語のWriting指導と食い合わせが悪い場合が多い。
      日本語では、書かれていない個所は「期待されるように補って」、書き手に心を合わせて理解してくれる読者を必要とする。その観点からすると英語は「くどくどしく趣に欠ける」のかもしれない。
      日本語は間違いなく伝わる〈書き手・読み手の「場の空気の共有」〉を前提としており、英語は間違いなく伝わるように、〈文と文とのつながりや構成に「論理」〉を必要とする。

      ×Convenience stores are useful. You can buy some food whenever you like.
      「コンビニは便利だ。いつでも好きな時に食べものが手に入る」は日本語としては必要にして十分だが、英語的論理は通っていない。

      〇Convenience stores are useful. They allow you to buy some food whenever you like.
      「コンビニは便利だ。そのおかげで、いつでも好きな時に食べ物が手に入る」

      主役は生徒なのか?

      2024/5/21

        現役教員時代、生徒が主役というフレーズを何度も聞いたことがあります。学校生活を始める「入学式」、学業を終える「卒業式」。そういう式典での「主役は生徒」には何の異存もありません。「初めまして。これから一緒に頑張ろう」。…「おめでとう。よく頑張ったね。パチパチパチ」。
        歓待され、承認され、祝福されるのは生徒です。

        しかし、日々の学びを仕切る「主役は教師」でなければならないと私は思います。〇〇高校で学びたいと思って、生徒は入学してきたはず。それが前提。であれば、その希望の場で、「さあ、一緒にこれをやろうや」と、教師は練った計画を用意して、生徒を待ち構える必要があると思います。

        時に、「どんなことを授業でやりたいか生徒に聞いてみようと思います」とおっしゃる先生がおられます。そういう発言に、私は違和感しか覚えません。そんなん生徒に聞いて決めることなん?

        音をつくるのは母音、それとも子音

        2024/5/18

          現役教員時代、入試問題を毎年作問してきた。
          筆記試験で、SpeakingやListeningの力を測ることはできないが、疑似問題として、単語に引かれた下線部の音が同じものを選ばせたり、異なったものを選ばせる問題がある。
          入試過去問や問題集等では、下線部が引かれているのは「アイウエオ」の音に近い母音であることが多い。まれに子音に下線が引かれている場合もあるが、入試問題への採用実績としては母音の大勝利は間違いない。
          では、なぜ、子音は問題になりにくいにのだろうか。答えはもちろん、作問しにくいからである。やってみればわかるが、母音に比べ、子音はそれぞれがキャラクターの立った音であり、類音から異なる音を探し出すような問題とのなじみが悪いのだ。ありうるとすれば、スペリングと音の差異に着目する問題になる可能性が高い。
          逆に言えば、その単語を人が認識する際に、子音は母音よりより大きな役割を果たしていると言ってよい。子音の持つ濃いキャラクターが母音の支えを得て、その語の音の輪郭をしかと浮かび上がらせているのだ。
          子音を正確に発音できること、そして子音をきっちり捉える耳を持つことに意識を集中させると、SpeakingやListeningに好影響をもたらすことができるのではないだろうか。

          自分でコントロールできることに集中する

          2024/5/16

            「自分のコントロールできることに集中する」というのは、元ニューヨーク・ヤンキーズ 松井秀喜さんの決まり文句。
            自分を見極めて、自分の今やるべきことを知る。自分の将来を他者に依存しない。他者が成功したとか失敗したとかに、自分の思考・行動を左右されない。

            人間には欲がある。自分には最大の幸福を願い、そのためには時として他者の不幸も仕方がないと思ったりする。だが、そんな空想に浸っていても、自分の技量は向上しないし、他者の努力は止められない。なら、自分のできること、やるべきことに集中した方が、自らの「現状改善→未来像の現実化」にははるかに効果的だ。

            おそらく同じことを、かつて「平常心」という言葉で色紙にしたためたのは、ミスタータイガース:掛布雅之さんだ。

            お二人はその境地に達するまで、どれくらいの努力を日々の鍛錬に注がれたのだろうか。
            上へ