エキップ英語教室 エキップ英語教室

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塾長 ブログ

「彼のカバン」はa his bagではだめ?②

2025/5/18

    LIVEの場面ではすんなりと児童に理解された「This is a bag.→I like the bag.→This is Takashi's bag.→Do you like his bag?」の中にあるa/an/the/代名詞・所有格の使い分けが、中学校の授業で言語化されて解説されると、
    ①数えられる名詞の前にはaを付ける。
    ②名詞のあたまの音が「アイウエオ」に近い母音であれば、aはanとなる。
    ③aには「一つ」の意味があるが、theには「その」という限定の意味がある。
    ④人称代名詞には格変化があり、「…の」という場合は、my「私の」/your「あなた(がた)の」/his「彼の」/her「彼女の」/its「その」/our「私たちの」/their「彼らの」の意味になる。

    するとこんな疑問が浮かび上がります。
    「カバンが一つで、彼の持ち物だとすると、a his bagってなるよね」
    この質問に対する先生の回答はどのようなものでしょうか。
    「所有格を使う時は、同時にaは付けません」かな。
    すると次の質問はどうでしょう。
    「『彼のそのカバン』と言いたい時は、his the bagでいいですか」
    回答は次のようなものでしょうか。
    「彼のカバンだから、theは不要です」

    この先生の説明は2つとも間違ってはいませんが、生徒の疑問を氷解させる本質的なものにはなっていません。
    「a/an/the/所有格は、源流を辿ると、どれも「名詞を規定する」グループに入っている語なんです。だから置かれる位置も同じです。ですから、それらを二重に使うのは「a an apple」がおかしいのと同様におかしいのです」

    「彼のカバン」はa his bagではだめ?①

    2025/5/14

      新学期が始まっておよそ1ヶ月が経ちました。中1英語の授業では、小学校での学習表現を復習して、中学校での学習事項に入ります。
      中学校での授業で改めてa/an/theの使い分けや、代名詞の格変化を学ぶでしょう。小学校での発話中心の具体的な言語活動から、言葉を文字化して知識として整理する機会が増えていきます。

      例えば、This is a bag.→I like the bag.→This is Takashi's bag.→Do you like his bag?では、具体的な物を提示し、教室内の生きた場面で使い方が示されますから、「新情報にはa」、「旧情報にはthe」が用いられることが自然に理解されます。同時に所有を表す「…'s」と人称代名詞の所有格が同じ働きを果たすのだと分かります。

      言葉による説明をせず、LIVEによって生徒に使い方を理解させるとても優れた方法です。

      〈to be continued〉

      hardlyってどんな意味

      2025/5/11

        careful+ly=carefully「注意深く」、happy+ly=happily「楽しく」など「様態」を表す副詞の多くは〈形容詞+ly〉の形をしています。
        certain+ly=certainly「確かに」、possible+ly=possibly「ひょっとしたら」など「確信度」を表すものや、lucky+ly=luckily「幸運にも」、natural+ly=naturally「当然」等も同様です。

        では、hard+lyはどのような意味になるでしょう。「かたい+ly」→「かたく」、「難しい+ly」→「難しく」でしょうか。あるいは「熱心に+ly」→「一生懸命に」等が思いつくところかなと思います。でも、最後の「hard:熱心に」は、そもそもstudy hardのように働く副詞ですから「+lyで副詞化」という規則に沿っていませんね。

        hardlyは「程度:ほとんど~ない」の意味を表す「準否定語」です。
        He hardly said a word.「彼はほとんど何も言わなかった」

        hardly ever「頻度:めったに~ない」と共に整理して記憶しましょう。
        My father hardly ever drinks or smokes.
        「父はめったに酒を飲まないし、タバコも吸わない
        (*否定語の後ろのorは、意味的にはandの意味です)

        かしこい子ほど忙しい

        2025/5/7

          今年のGWが終了しました。学校では、ねえねえ、どこに行った?という話題で盛り上がる人たちがいる一方、「毎日クラブがあったから、どこにも行けなかったよ」なんていう嘆き節を唸っている人もいるかもしれません。
          でも、それって悪い話では全くないのではないでしょうか。みんながしたように遊べなかったら、それはネガティブな経験ということになるのでしょうか。クラブ活動という、所属していない人には味わうことの出来ない充実した経験ができてよかったと考えましょう。学校のクラブでなくてもいいんです。遊びに行く代わりに、自分のやらなければならないことに時間を割かなければならなかった事実にもっと誇りを持ってほしいと思います。

          I want you to be proud of the fact that you had to spend time doing what you had to do instead of going out to play.

          「賢い子ほど忙しい」ものなのです。あれもこれもあって、どれでけやっても追いつかない。でもあれもこれもやり切りたい。そういう志向を持ってほしいと思います。

          修学支援の成績要件

          2025/5/4

            低所得世帯の学生が大学などの授業料の減免や返済不要の奨学金を受けられる修学支援制度がある。成績が学部などの「下位4分の1」に連続して入ると支援が止まることが問題との声が上がっているという。また、貸与ではなく、支給型の奨学金を拡充すべきとの声もある。
            基金になっているのが税金などの公金であるのなら、その拠出について「正当かどうかの問い合わせ」があった際、「根拠となる資料」を提示できるように準備するのは公的立場である限り当然だろう。一方、大学を続けられなくなるのではとの不安を学生が抱くことの懸念に寄り添いたいという気持ちの分からないではない。
            授業料など経済的負担を全て親に依存できる学生と、アルバイトをして一定の生活費を稼がなければならない学生では、勉学に向けることの可能な時間も違ってくるだろうから、相対評価である成績要件を拠出継続の基準にするのは(特に難関大の場合には)公平ではないとも思える。
            経済格差が高等教育への扉を閉ざすことは排除すべきだが、「お金をかける価値のある」学生であるかどうかとのバランスをどう取るのかが悩ましいところだ。
            公立・私立を問わず高等学校授業料の無償化を求める政党もある。ポピュリズムを前にしては落ち着いて思考することが欠かせない。年収や家族構成等に応じて、親にはきちんと授業料を負担してもらえる政策の方が持続可能性が高く、財政赤字を将来世代につけ回すことを回避することに繋がると考えるがどうか。
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