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塾長 ブログ

文末に新情報=文末焦点

2024/11/13

    コンパクトに文の頭部をまとめるのが英語らしい表現でした。
    △To make friends is easy.
            S                 V   C
    〇It is easy to make friends.
        S V  C

    It~to(V)の形式主語を用いた表現のもう一つの効果は、「文末に新情報を置く」という英語らしさを同時に実現していることです。新情報は聞き手・読み手にとって、初めての話題なので、関心がそこに凝縮される訳です。
    To make friends is easy.なら、文焦点が当たるのはeasy「簡単だよ」ですが、It is easy to make friends.なら、文末焦点が当たるのはto make friends「友達を作ること」になります。
    「SVC(それって簡単だよ)→友達を作るのは〈言いたいこと〉」
    文末の情報に「焦点」が当たります。これは文法用語で「end focus」と呼ばれます。その「文末におかれた」新情報を引き継いで、話は展開されることになります。

    factなの、opinionなの?

    2024/11/10

      本音と建て前。日本文化のことではなくて、アメリカ人の心理です。トランプ氏を大統領に選ぶ選挙結果は、「ぶっちゃけ、本音を言えば…」が「政治的な正しさ(political correctness)」=「黒人、女性、LGBTQに対する配慮」を投げ飛ばしたようなものでしょう。アメリカ国内での「激情が知性を抑え込んだ」結果を受け止めつつ、世界には知的にアメリカに対応してもらいたいと思います。
      アメリカ大統領選の候補者たちの主張をファクトチェックする記事や報道を目や耳にすることがありました。fact「事実」とopinion「意見」を識別することは、情報を認識する際に重要な視点であり、共通テストにも出題されます。例えば、長文読解問題の選択肢が「本文の内容と矛盾しないかどうか」だけでなく、それが「事実に基づいた記述なのか、意見に基づいた記述」なのかを識別する「思考力・判断力」も必要になります。

      (1) The President is to visit Kyoto today.
      (2) The President will visit Kyoto today.
      2つの表現とも「大統領は今日、京都を訪問」の大意は変わりませんが、(1) be動詞の現在形を用いた表現は動かない予定で、(2) 助動詞willを用いた表現は話者・筆者の推量です。

      要旨を理解し方向性を知るのは重要ですが、情報が発信する「ディテール」にも注意しなければ、正確な理解には至りません。

      Nihon / Nippon

      2024/11/6

        今年のプロ野球日本シリーズはDeNAが勝利し日本一を達成しました。日本シリーズの英語表記は「Nippon Series」となっています。スポーツ応援と「Nippon」は馴染みがよく、「にっぽんチャチャチャ」の大声援は団体スポーツの国際大会でよく耳にするような気がします。
        日本を発話する際、「にほん」と「にっぽん」はどのように使用識別されているのでしょうか。特定の固有名詞でない限り、NHKアナウンサーの読み方は『場面に合わせて』決定されるそうです。
        10月11日、ASEAN首脳会議に出席するためラオスを訪問中の石破首相は、当日の首相会見の冒頭で、日本被団体協のノーベル平和賞受賞に対し祝意を述べました。この際、首相は同協議会名を『にっぽんひだんきょう』と呼びましたが、Wikipediaによれば、同名は『にほん―』です。首相は無意識で[意識的に]そう呼んだのでしょうか。
        かつて、哲学者の鶴見俊輔が、「にほん」ではなく「にっぽん」と発せられる際の日本人の心理の危うさについて、「集団心理」を醸成するのに「にっぽん」の呼び方が巧妙に用いられる可能性について著作に記していたように思います。
        おそらく鶴見は「Nippon」の破裂音[p]が平静をかき消し、扇動をもたらす可能性に憂慮したのでしょう。知らず知らずのうちに、沈思黙考を排除し、責任性を一考することもなく、一気呵成に激烈な集団行動に移行する国民性を心配したのだと思います。「にっぽん」と発せられる場面が『いったいどのような場面』か注意深く見る必要があると思います。

        第2回英検結果からのアドバイス

        2024/11/3

          第2回英検の成績表が送付されてきました。3級から5級受験者に向けた英検協会からの学習アドバイスをまとめます。
          ①単語や熟語は、意味理解だけでなく、発音したり書いたりできるように。
          ②単語・熟語・文法は、例文と共に覚えるのが効果的。
          ③内容を理解した英文を、意味のまとまりに注意して音読するのは効果的。
          ④疑問文では、最初の疑問詞(What, When等)に注意して何が尋ねられているかを把握。
          ⑤どのような場合に、音がつながったり弱く発音されたりして聞き取りにくくなるかをスクリプトを見て確認。
          ⑥聞き取る力を伸ばすには、単語や表現を学ぶ時、意味を理解するだけではなく、発音できるようにすることが大切。
          ⑦英語の音やリズム、スピードに慣れるために、手本となる音声のすぐ後ろについて英文を読む練習を。

          ぎゅっとした凝縮感

          2024/10/30

            英語らしい表現は「文の要素がぎゅっと凝縮している」ことが特徴です。例えば、主語(S)-動詞(V)は距離を縮めて表現されることがよしとされます。
            △To make friends is easy.
                    S                 V   C
            It is easy to make friends.
                S V  C
            形式主語のItを立てた下の表現の方が、「SVC」の文の要素の凝縮感が高いですよね。では、下の2つの表現のうち、より英語らしいのはどちらでしょう。
            1. To make friends is easy.
             〈不定詞の名詞的用法:~すること〉
            2. Making friends is easy.
             〈動名詞:~すること〉

            勝負は僅差。to make firendsなら主部は3語ですが、making friendsなら2語です。しかし、実際の使用頻度はmaking friendsの圧倒的勝利。それだけ、頭を軽くした「軽快で、文の要素がきゅっと詰まった」表現が好まれるのです。
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