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大阪府 豊能郡 能勢町 下田尻1060

塾長 ブログ

こどもの日にキャッチボール

2024/5/4

    アメリカでは、父親が子供に教えることが3つあるそうです。
    一つは「火の起こし方」。寒さや暗闇に立ち向かい、野獣から生き延びるための基礎知識。それに料理するには火が必要です。[ロングマン]では、cookをto prepare food for eating by using heatと定義していますから、cookには加熱が必要で、サラダには使えません。〇make salad。
    二つ目は「魚の釣り方」。水が無いと生きてはいけないから、水辺に留まるとして、さらに生き抜くためには食料が必要になります。ただし、×go fishing to a riverとは言いません。〇go fishing in [at] a riverです。
    そして三つ目が「キャッチボール」。でも、キャッチボールをしなくても生きてはいけるから、上の二つとは明らかに異質です。ではなぜ?
    おそらく、キャッチボール成立のためには、「同じ目的を持つ相手にボールを投げて渡さなければならない」ことが鍵でしょう。大事なものをじっと持っているだけでは楽しめない。大事なボールを相手に差し出せば、相手も同じように自分に返礼してくれる。これは一種の贈与論なのでは。英語では、×play catch ballとは言わずに、〇play catchと言います。

    頑張れ、関西外大

    2024/5/2

      先週の土曜日、学生時代のクラスの友人と飲む機会があった。母校の関西外大は単科大学だから英語名称的にはcollegeがぴったりなのだけれど、当時の名称はなぜかKansai University of Foreign Studiesだった。かつては、関西で外国語学部への進学を考えると、私学では関西外大か京都外大以外には選択肢はほぼ無かったのだが、今では、関関同立も外国語を専修する学部を持つようになり、そのいずれもが各大学の最難関学部となっている。
      同志社:グルーバル・コミュニケーション学部
      立命館:国際関係学部
      関学:国際学部
      関大:外国語学部

      学部名は微妙に違えど、受験層はほぼ重なる。総合私大の雄が外国語専修学部を持つようになると、単科の関西外大に入学する英語の成績上位層は薄くならざるを得ない。英語の成績上位者に選んでもらうアピールポイントはあり得るか?関関同立も留学に力を入れており、関西外大のアドバンテージは無くなりつつあるようにも見える。同学年の学生はほとんどが顔見知りという「こじんまり感」が居心地の良さを生み出していたのだが。起死回生策はあるのか?頑張れ、関西外大。
      友人に開塾のお祝いをいただいた。
      アコーディオン奏者にして、新進のフォトグラファー。
      信仰心が篤い上に、山を駆けさせても東海一。
      「峨眉山」の花言葉は「控え目」とか。
      Be modest.の指令と賜りました。

      親族の基本構造とbe married to…

      2024/4/30

        構造主義の祖、レヴィ=ストロースが『親族の基本構造』の中で論じるのは一種の贈与論です。
        その著書の中で、インセスト・タブー(近親相姦を、社会を閉じて消滅させる不利な行為とみなして禁忌すること)の働きにより、「人間社会では、は女を別の男から妻として受け取るしかなく」、そこで発生した〈女を譲り渡した者vs女を受け取った者〉という不均衡は、後続する世代において「その男は女(娘)を別の男に譲り渡す」という『反対給付』によって相殺されるしかない事実が、ほとんどの親族体系で見られると述べています。

        marryは元々「娘を…に(to)嫁にやる(off)」という意味でした。
        He will marry his daughter (off) to the man.
        娘を嫁にやる男は父親に決まっているから情報的価値が無く、受動態で表現されることになります。
        His daughter will be married to the man.

        大学入試問題で、「…と結婚するだから、~ withでしょ」と思ってしまう間違いが頻出します。
        × She will be married with the man.

        記憶は身体なしに成立しえない

        2024/4/27

          このタイトルは、3/28付け朝日新聞朝刊の「折々のことば」よりそのままいただきました。哲学者鷲田清一さんが、分かりやすい言葉を紡ぎ、もたらしてくれる、ふとした気づき。このコラムを毎朝楽しみにしています。

          「記憶は、脳というよりは口の記憶、耳や手の記憶としてある」とは評論家三浦雅士さんの著書『考える身体』からの一文のよう。

          これは英語学習にもみごとに当てはまります。英語の成績が伸びない生徒の学習時の特徴は「見てるだけ」。

          言葉は常に音と共にあります。
          正しいモデル音声をListeningして共振し、自分でもSpeakingして音をつかみ、手を動かしてWritingで音と文字を結び付け、それを目でReadingして確認する。4技能を同時に起動して、言葉を取り込み身体化するのが、記憶に繋がる最良手です。

          つまみ食いではなく、紹介いただいた『考える身体』を読み通してみたいと思います。

          誰にも奪われないもの

          2024/4/25

            日本は平和な国だと言われる。国内では気づかなくても、海外旅行をすればそれが少し見えてくる。一人旅ならさらによく分かるし、しばらく海外の街に逗留すればそれを実感する機会も多いだろう。

            一瞬の不注意から盗難被害に会ってしまうことも珍しくはない。一生懸命努力してようやく手にした地位や名誉も、一生安泰な訳ではない。最愛の人であっても、誰かに略奪されてしまう可能性はゼロではない。

            だが、唯一誰にも奪われないものがあるとも言われる。それは身に着けた知識や学力だ。貧しい国や地域、恵まれない境遇の人であっても、いやだからこそ、自分の子供には出来るだけの学習機会を与えたいと願うもののようだ。知識と学力は誰にも奪われない、人生を開く鍵であり宝物。そしてそれは学習によって獲得される。
            平和で豊かな国に暮らしていると、それは少し見えにくいものであるだろう。
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