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塾長 ブログ

Dodger Blueとラソーダ監督

2024/3/11

    野茂英雄投手が渡米し、ドジャースに入団した時の監督はトミー・ラソーダでした。ラソーダは1976年から1996年まで、20年以上に渡りドジャースの監督を務め、チームを2度のワールドシリーズ優勝に導きました。

    I bleed Dodger blue and when I die, I'm going to the big Dodger in the sky.
    「俺の腕を切ってみろ。ドジャースの青い血が流れているぜ」と訳されてきたように思いますが、どうやら「俺の腕を切ってみろ」はそれらしく日本語レベルで追加されたようですね。
    後半はこうです。「そして
    死んだら、(青い)空の上でも(青色の)ドジャースの一員になるのさ」準備・調整済の未来を現在進行形(…へ行く→…に至る)で表現しています。theはラソーダ監督と聞き手の了解事項であることを表します。想起させるのは「青、青、青」。死んでもなおDodger(ドジャースの一員)であるというチーム愛があふれます。

    当時、野茂選手を特集する番組の中で、ラソーダ監督がサインボールをねだる子供たちをこう諭していました。「人にものを頼む時はpleaseをつけなさい」、「Thank youはどうした?」いい人ですね。

    Dodgersがなぜドジャースなのか

    2024/3/9

      Dodgersといえば、もちろん、野茂英雄である。1995年に近鉄バファローズを飛び出して海を渡り、MLBでノーヒットノーランを2度達成した偉大な投手だ。
      Dodgersのチーム名は、ドッジボールのdodge「身をかわして避ける」に由来し、かつて本拠地があったニューヨーク・ブルックリンの路面電車を、ブルックリン子たちが巧みに避けながら闊歩したことによる。
      本来、dodgerの発音は、声帯が震えて終わる[dɑ'ʤər]で、複数形のsはその影響を受け[z]と発音される。それをカタカナ表記すれば、ドジャーズとなるのが相当だろう。もちろん、カタカナ化された時点で、ドジャースは日本語に取り込まれているわけで、英語本位に考えることもない。だが、ドジャースがその地位を得た本当の理由をほとんどの人は理解していない。
      それは、日本シリーズ制覇二度、名門中の名門、阪神タイガースの影響である。tigerは[táigər]と発音されるから、語末の有声音の影響を受け、複数形Tigersはタイガーズと称されるべきところだ。しかし、六甲おろしにあるように、チーム名はタイガースであって、決してタイガーズではない。この愛すべきチーム名があまりに浸透しているが故、ドジャースもそれなりの市民権を得ているのである。後世、ドジャーズへの見直し議論が仮に起こったとしても、関西人はそれには決して従えないであろうということを予め記すことが本稿の趣旨である。

      韻を踏む

      2024/3/7

        前回、「ブログを巡る冒険③」で「韻を踏む」表現に言及しました。今日はその続きです。
        日本語にも韻を踏んで、リズムを生む表現があります。
        日光東照宮『三猿』の「見ざる・言わざる・聞かざる」の「ザル」繋がり、コンビニエンスストア・セブンイレブンのキャッチコピー「セブン、イレブン、いい気」の「ブン」繋がりが好例かと思います。日本語の特徴としては、句末・行末に同じ音を置き、終わりの音で合わせる脚韻が主で、合格したことを知らせる電報「サクサク」の「サク」繋がりのような、頭の音で合わせる頭韻は少ないようです。
        一方、英語では頭韻が主流。(as) smooth as silk「絹のようになめらか」→「とてもなめらか」、(as) proud as a peacock「クジャクのように自慢して」→「大いばりで」などのように語頭の音で韻を踏みます。
        コンピュータに使われるCPUで有名な、インテル社のかつてのキャッチコピー Intel Inside を、日本語で「インテ 入って」と表現したのは、それぞれの言語の特徴を上手く引き出した秀逸な例だと思います。

        ブログを巡る冒険③

        2024/3/5

          blogのlogは、もともと丸太のことでしたね。sleep like a log「丸太のように眠る」→「ピクリとも動かず、ぐっすり眠る」という表現があります。
          このような比喩表現は他にもあります。(as) cool as a cucumber「キュウリのように冷静な」→「落ち着き払って」なんていうのは日本語話者には奇妙に響くでしょうか。(as) busy as a bee「ミツバチのように忙しい」→「非常に忙しい」の方は何となくイメージが湧くかな。

          意味レベルで考えると、「冷静な」と「キュウリ」の関係性は遠いような気もしますが、coolとcucumberは語頭が[k]の音で韻を踏んでいるので、すっきり収まるのです。もちろんbusyとbeeは[b]で調子よく韻を踏んでいます。

          (as) bright as a button「ボタンのように聡明な」→「とってもお利口な」で、なんでボタンが聡明なの?と思う人も、発音してみれば、brightとbuttonが[b]繋がりであることがわかり、ぐっと親近感が増しますよ。

          ブログを巡る冒険②

          2024/3/3

            blogという語は、weblogの短縮語です。weblogという単語は2つに分節されて、web/logという要素構成になります。
            webは、weave「織る」と同語源で、織る→織物→クモの巣となりました。クモの巣の形状から、複雑にからみあった網状の物(高速道路「網」)とか水鳥の「水かき」という意味もあります。
            一方、logは元々「丸太」の意味で、踏んでも蹴ってもびくともしないというイメージから「記録(変わりようのない、ずっとそこにある事実)」の意味が出て来ました。
            で、web+log→weblog→blogとなった訳です。

            logは、他の語の後ろに連結される性質も持ちます。ギリシャ語で「2」を表すdiと結びついて、dialog「対話」、またギリシャ語で「完全な」を表すkataを語源とするcataと結びついて、catalog「カタログ」のような語を作り出しました。
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