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塾長 ブログ

believe考

2024/5/14

    believe = 「信じる」と考えている人が多いが、実はbelieveには「信じる」という日本語が放つほど強い意味は備わってはいない。
    [ロングマン]によれば、
    think: to believe that something is true
    believe: to think that something is true or possible, although you are not completely sure
    のように、thinkの定義をbelieveを用いて、またbelieveの定義をthinkのよって行っているのだから、think that S'V'とbelieve that S'V'はほぼ同義と言ってよい。
    believeには「確信がなくても」という譲歩の意味を加えている程度だから、関西弁で表せば「~なんちゃう?知らんけど」が適訳となるのではないか。
    英語は同じ語の繰り返しを嫌うから、think/believeは、「Of course.でもいいんだけど、今は気分でSure.ね」と同様、代替の効く同意表現ということだ。
    だから日本語話者がせっかくbelieveを使うなら、I firmly believe that S'V'.くらいには表現しようではないか。〈firmlyは「堅く」の意味です〉

    Customerと呼ばれて

    2024/5/11

      30代の頃、トライアスロンをやっていた。雑誌『Tarzan』の企画:アイアンマンハワイを目指す「チームターザン」の勝又紀子さんに触発されて始めたのだ。
      アイアンマントライアスロンは水泳3.8km、自転車180.2km、マラソン42.2kmを連続して行う。当時はアイアンマンが琵琶湖で開催されており、(滋賀県だから)一番近くて、(出場レベルの高さから)一番遠い大会だった。
      参加費は現在では800ドルほどするらしい。1ドル=150円で計算すると、12万円にもなる。今は国内大会も無いから、海外大会に出場しようと思ったら、航空券代や宿泊費、その他で50万円では足りないだろう。かつての円高の時なら、何とか30万円代で収まった。海外に出て行こうとする者にとって、円安は悪夢である。
      さて、私にとって最後のアイアンマンとなったのは、2003年のアイアンマン・オーストラリアだが、主催者から届いたメールには幻滅した。「Dear Cusutomer,」となっていたからだ。「お客様」はないやろ~。主催者の本音はそうでも、「Dear Athlete,」にしてほしかったな。

      currencyの特徴

      2024/5/9

        円安基調が止まらない。歴代最長政権を率いた〇〇首相は、自分の名を冠した〇〇ノミクス政策の目指すところについて、「〈円安によって〉輸出企業が潤い、やがて日本中に恩恵がトリクルダウン。増加する訪日外国人がお金を落とし、経済は好転。税収もアップして国債依存からも脱却」のような説明をしていたと思うが、現状の暮らしはどうか?
        さて、表題のcurrencyは「通貨」を意味し、形容詞currentの派生語である。currentは「流通している→現在の」の意味だが、名詞としても用いられ、「(水・空気の)流れ」を表す。current/currencyは「流れ」繋がりで、水の流れ→お金の流れへとイメージが広がった。時間と共に過去が流れ去り、「現在の」状況が出現する。
        「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」は鴨長明『方丈記』の冒頭部分だ。水は流れなければ腐って異臭を放つ。お金も使って流通させなければ、「持つ人も、受け取る人も」その恩恵を受けることができない。将来への不安からお金を帯同し、流通させない人が増えれば、その分currencyは本来の機能を失っていく。

        ロミオとジュリエット

        2024/5/7

          シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』より
          If love be blind, it best agrees with night.
          「恋は盲目というのなら、なおさら夜こそ相応しい」

          シェイクスピアは日本でいえば、安土桃山時代の人で、当時使われていた英語は現代英語の原型に当たると言われています。この時代の文法では、「時・条件を表す副詞節」の中は「仮定法現在(主語+原形不定詞)」という形で表されました。これは話者の想念を表す表現でした

          しかし、時が流れ人が入れ替わると用法は変化していきます。「『If love be blind』は変じゃないか?『If love is blind』の方が自然だろ!」という本来は間違いである表現を支持する人が多数を占めるようになったのです。

          If love is blind, it best agrees with night.
          〈時・条件を表す副詞節の中では、未来のことでもwillは用いず、現在形になる〉という現代文法の誕生です。粋かどうかは分かりませんが。

          こどもの日にキャッチボール

          2024/5/4

            アメリカでは、父親が子供に教えることが3つあるそうです。
            一つは「火の起こし方」。寒さや暗闇に立ち向かい、野獣から生き延びるための基礎知識。それに料理するには火が必要です。[ロングマン]では、cookをto prepare food for eating by using heatと定義していますから、cookには加熱が必要で、サラダには使えません。〇make salad。
            二つ目は「魚の釣り方」。水が無いと生きてはいけないから、水辺に留まるとして、さらに生き抜くためには食料が必要になります。ただし、×go fishing to a riverとは言いません。〇go fishing in [at] a riverです。
            そして三つ目が「キャッチボール」。でも、キャッチボールをしなくても生きてはいけるから、上の二つとは明らかに異質です。ではなぜ?
            おそらく、キャッチボール成立のためには、「同じ目的を持つ相手にボールを投げて渡さなければならない」ことが鍵でしょう。大事なものをじっと持っているだけでは楽しめない。大事なボールを相手に差し出せば、相手も同じように自分に返礼してくれる。これは一種の贈与論なのでは。英語では、×play catch ballとは言わずに、〇play catchと言います。
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