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塾長 ブログ

ワルツ氏を生んだ中西部とはどこか

2024/8/13

    アメリカは4つの地域に分けられます。
    アメリカ東部:ワシントンD.C.より北側、東海岸に近い地域。
    アメリカ西部:ロッキー山脈から西。北隣はカナダ、南はメキシコ。
    アメリカ南部:ワシントンD.C.より南側の地域。東隣はアメリカ西部。
    アメリカ中西部:アメリカの北側中央部。米民主党副大統領候補:ワルツ氏の地元。

    でも、なぜ「中西部」と呼ばれるのでしょう。「北部」でも「中央部」でもいいような気がするのですが。ここはやはり、1776年(約250年前)建国のアメリカの歴史から始める必要がありそうです。
    元々、西部とは東海岸に近いアパラチア山脈の西側地域を指しました。その辺りが、当時の白人文明の及び得る西の端、いわゆるフロンティア(辺境)だった訳です。しかし、彼らは広大な大陸を西へと分け入り、未開地を踏破していきます。1848年(170年余り前)にカリフォルニアをメキシコから併合し西海岸に到達。1890年(130年余り前)にはフロンティアは消滅したと言われます。西への漸進の途中にあった地域が「中西部(Mid West)」という訳です。

    「アメリカ大使館公式」« American View (usembassy.gov)

    Who calls TRUMP weird?

    2024/8/10

      代議員の99%という圧倒的な支持を得て、ハリス氏が民主党の大統領候補となった。カリフォルニア州出身、女性、黒人、インド系、元州司法長官のハリス氏は、副大統領候補に、自分にはない属性「中西部の中流階級の出身、男性、白人」に加え、「17歳から24年間陸軍州兵、軍務と並行し大学を卒業し、退役後高校教師に。勤務校でアメフト部を指導し州チャンピオンに導いた名コーチ」の経歴を持つミネソタ州知事のワルツ氏を指名した。
      さて、そのワルツ氏、共和党の大統領候補トランプ氏をweird [wíərd]と呼び、この言葉をトランプ氏の評価と結び付けようとしている。
      [ロングマン]では、weird: informal very strange and unusual, and difficult to understand or explain「(口語)とても変で異常、理解・説明が困難な」としている。
      LEAPの著者:竹岡広信先生によれば、weirdはwire(針金)と語源が共通で、「針金がねじ曲がった」→「(頭の中がどうなっているかわからず)気味の悪い」の意味を持つ、使用頻度が高い語であるとのこと。

      修飾-被修飾を吟味する

      2024/8/8

        線状降水帯等が発生し、「緊急安全確保」が発表された場合に、アナウンサーが「少しでも命の助かる可能性が高い行動を取るようにしてください」と繰り返し注意喚起する場面に遭遇することが増えたような気がします。おそらくこの定型文は気象庁からのリリースでしょう。
        この後には例示が続き、「川や崖から少しでも離れた頑丈な建物の上の階などに避難する判断をしてください。それすら危険な場合には、崖と反対側の2階以上の部屋に移動するなどしてください」のように具体化されるから取るべき行動を誤って理解する人は少ないでしょう。
        しかし、「少しでも命の助かる可能性が高い行動」という表現、おかしくないですか。『少しでも』は何を修飾する[何につながる]言葉なのでしょう。「→命」、「→助かる」、「→可能性」、「→高い」、「→行動」の5択です。もっとも自然なつながりは『少しでも→高い』でしょう。ならば、原稿は次のように書き換えられるべきです。
        「命の助かる可能性が少しでも高い行動を取るようにしてください」

        例えば、I think that ~.の訳出も、文構成をよく吟味し、「私は~と思う」でいいのか、「~と私は思う」と対比するとどうなのか、視点を変えつつ落ち着いた思考が出来るよう、生徒(塾生)を指導したいと思います。

        Three Rs

        2024/8/6

          Reduce・ Reuse・ Recycle。これらは「(ゴミになるものを)減量する・再使用する・再利用する」の意味である。
          「減量・再使用・再利用」であれば、Reduction・Reuse・Recycling。
          reuseが変化しないのは、一つの単語が「動詞・名詞」両方の役割を担えるからだ。ただし、reuseは動詞であれば[rì:jú:z]「リユーズ」と発音され、名詞であれば[rì:jú:s]「リユース」と発音される。
          これを小学生に「リデュース・リユース・リサイクル」と紹介しているのが経済産業省だったりするからどうかしている。朝令暮改すればいいのに、一度使い始めるともう止まらない。彼らにはとっておきの屁理屈があるのだろうが、その罪はそうとう深いと思う。
          カタカナ化された時点で日本語ではあるが、「外来語を日本語で使いやすくするために用いるカタカナ使用」であれば、「外来語→カタカナ→日本語」で多少は生じる言葉の差異を、「外来語:日本語」の直接使用の障壁としないような配慮が必要なはずだ。

          sportsとgames 裏の顔

          2024/8/3

            sportsのイメージは「爽やか」であろうか「汗・努力」であろうか。いや、どちらも内包するのがsportsというものなのだろう。表の顔は裏の顔、裏の顔は表の顔である。
            [ロングマン]でsportを引くと、make sport of somebody「誰かをスポーツする」という表現の意味として、to joke about someone in a way that makes them seem stupidを載せている。「バカにするようなやり方で誰かをからかう」という意味だ。
            sportは、「気晴らしをする」を意味するdisportからの頭韻消失で誕生した。日常のストレスから私たちを解放し、心身をリフレッシュしてくれるスポーツは好ましいが、他者をあざけることで溜飲を下げるようなスポーツは歓迎されることはない。
            [ロングマン]でgameを引くと、make game of somebody「誰かをゲームする」という表現がmake fun of someone「人をからかう、笑いものにする」と同意であることも示されている。恐ろしいことに、gameには「〈からかいや詐欺などの〉標的・カモ」の意味もある。
            [ロングマン]はmake sport of…もmake game of…も「old-fashioned:古風」と注記している。人をバカにする憂さ晴らしはもはや古風。「あの人、昭和生まれやから」と言われるのがおちだ。
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