エキップ英語教室 エキップ英語教室

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塾長 ブログ

音をつくるのは母音、それとも子音

2024/5/18

    現役教員時代、入試問題を毎年作問してきた。
    筆記試験で、SpeakingやListeningの力を測ることはできないが、疑似問題として、単語に引かれた下線部の音が同じものを選ばせたり、異なったものを選ばせる問題がある。
    入試過去問や問題集等では、下線部が引かれているのは「アイウエオ」の音に近い母音であることが多い。まれに子音に下線が引かれている場合もあるが、入試問題への採用実績としては母音の大勝利は間違いない。
    では、なぜ、子音は問題になりにくいにのだろうか。答えはもちろん、作問しにくいからである。やってみればわかるが、母音に比べ、子音はそれぞれがキャラクターの立った音であり、類音から異なる音を探し出すような問題とのなじみが悪いのだ。ありうるとすれば、スペリングと音の差異に着目する問題になる可能性が高い。
    逆に言えば、その単語を人が認識する際に、子音は母音よりより大きな役割を果たしていると言ってよい。子音の持つ濃いキャラクターが母音の支えを得て、その語の音の輪郭をしかと浮かび上がらせているのだ。
    子音を正確に発音できること、そして子音をきっちり捉える耳を持つことに意識を集中させると、SpeakingやListeningに好影響をもたらすことができるのではないだろうか。

    自分でコントロールできることに集中する

    2024/5/16

      「自分のコントロールできることに集中する」というのは、元ニューヨーク・ヤンキーズ 松井秀喜さんの決まり文句。
      自分を見極めて、自分の今やるべきことを知る。自分の将来を他者に依存しない。他者が成功したとか失敗したとかに、自分の思考・行動を左右されない。

      人間には欲がある。自分には最大の幸福を願い、そのためには時として他者の不幸も仕方がないと思ったりする。だが、そんな空想に浸っていても、自分の技量は向上しないし、他者の努力は止められない。なら、自分のできること、やるべきことに集中した方が、自らの「現状改善→未来像の現実化」にははるかに効果的だ。

      おそらく同じことを、かつて「平常心」という言葉で色紙にしたためたのは、ミスタータイガース:掛布雅之さんだ。

      お二人はその境地に達するまで、どれくらいの努力を日々の鍛錬に注がれたのだろうか。

      believe考

      2024/5/14

        believe = 「信じる」と考えている人が多いが、実はbelieveには「信じる」という日本語が放つほど強い意味は備わってはいない。
        [ロングマン]によれば、
        think: to believe that something is true
        believe: to think that something is true or possible, although you are not completely sure
        のように、thinkの定義をbelieveを用いて、またbelieveの定義をthinkのよって行っているのだから、think that S'V'とbelieve that S'V'はほぼ同義と言ってよい。
        believeには「確信がなくても」という譲歩の意味を加えている程度だから、関西弁で表せば「~なんちゃう?知らんけど」が適訳となるのではないか。
        英語は同じ語の繰り返しを嫌うから、think/believeは、「Of course.でもいいんだけど、今は気分でSure.ね」と同様、代替の効く同意表現ということだ。
        だから日本語話者がせっかくbelieveを使うなら、I firmly believe that S'V'.くらいには表現しようではないか。〈firmlyは「堅く」の意味です〉

        Customerと呼ばれて

        2024/5/11

          30代の頃、トライアスロンをやっていた。雑誌『Tarzan』の企画:アイアンマンハワイを目指す「チームターザン」の勝又紀子さんに触発されて始めたのだ。
          アイアンマントライアスロンは水泳3.8km、自転車180.2km、マラソン42.2kmを連続して行う。当時はアイアンマンが琵琶湖で開催されており、(滋賀県だから)一番近くて、(出場レベルの高さから)一番遠い大会だった。
          参加費は現在では800ドルほどするらしい。1ドル=150円で計算すると、12万円にもなる。今は国内大会も無いから、海外大会に出場しようと思ったら、航空券代や宿泊費、その他で50万円では足りないだろう。かつての円高の時なら、何とか30万円代で収まった。海外に出て行こうとする者にとって、円安は悪夢である。
          さて、私にとって最後のアイアンマンとなったのは、2003年のアイアンマン・オーストラリアだが、主催者から届いたメールには幻滅した。「Dear Cusutomer,」となっていたからだ。「お客様」はないやろ~。主催者の本音はそうでも、「Dear Athlete,」にしてほしかったな。

          currencyの特徴

          2024/5/9

            円安基調が止まらない。歴代最長政権を率いた〇〇首相は、自分の名を冠した〇〇ノミクス政策の目指すところについて、「〈円安によって〉輸出企業が潤い、やがて日本中に恩恵がトリクルダウン。増加する訪日外国人がお金を落とし、経済は好転。税収もアップして国債依存からも脱却」のような説明をしていたと思うが、現状の暮らしはどうか?
            さて、表題のcurrencyは「通貨」を意味し、形容詞currentの派生語である。currentは「流通している→現在の」の意味だが、名詞としても用いられ、「(水・空気の)流れ」を表す。current/currencyは「流れ」繋がりで、水の流れ→お金の流れへとイメージが広がった。時間と共に過去が流れ去り、「現在の」状況が出現する。
            「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」は鴨長明『方丈記』の冒頭部分だ。水は流れなければ腐って異臭を放つ。お金も使って流通させなければ、「持つ人も、受け取る人も」その恩恵を受けることができない。将来への不安からお金を帯同し、流通させない人が増えれば、その分currencyは本来の機能を失っていく。
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