エキップ英語教室 エキップ英語教室

大阪府 豊能郡 能勢町 下田尻1060

塾長 ブログ

誰にも奪われないもの

2024/4/25

    日本は平和な国だと言われる。国内では気づかなくても、海外旅行をすればそれが少し見えてくる。一人旅ならさらによく分かるし、しばらく海外の街に逗留すればそれを実感する機会も多いだろう。

    一瞬の不注意から盗難被害に会ってしまうことも珍しくはない。一生懸命努力してようやく手にした地位や名誉も、一生安泰な訳ではない。最愛の人であっても、誰かに略奪されてしまう可能性はゼロではない。

    だが、唯一誰にも奪われないものがあるとも言われる。それは身に着けた知識や学力だ。貧しい国や地域、恵まれない境遇の人であっても、いやだからこそ、自分の子供には出来るだけの学習機会を与えたいと願うもののようだ。知識と学力は誰にも奪われない、人生を開く鍵であり宝物。そしてそれは学習によって獲得される。
    平和で豊かな国に暮らしていると、それは少し見えにくいものであるだろう。

    本物の改定とは~『英文熟考』に学ぶ

    2024/4/23

      昨年末の英語科教員セミナーで献本いただいた『英文熟講』をようやく読了し、「こういうのをほんまの改訂と言うんやな~」という感動を得た。
      ①上下巻、それぞれ70掲載された英文の約1/4が新しい英文に差し替わった。竹岡先生の主張がより伝わりやすい「適切性」が選考基準のようだ。
      ②「解説」では、日本語訳例と共に、「〇〇の表現は可。△△は避けたい。××は許容されない」と和訳例の可否が具体的に示された。竹岡先生の採点基準は相当に厳しい。
      ③微に入り細に入り、必要な事項が解説され、把握すべき要点が網羅・整理されている。英文精読の必携知識が体系理解できる「読解参考書」として編んである。

      ☆個人的に、『英文熟考 上』で一番学べたのは、「副詞(句・節)」の置かれる位置とその役割の明示であった。竹岡先生による解説は、一般の参考書・問題集ではまず見られない奇貨である。示されて初めて、「なるほどそうだな」と合点がいく種類のものだ。「なぜ」を自分で明確に言語化できなかったものを、竹岡先生に論理的に説明いただいた。
      左が旧版、右が改訂版で、どちらも「上巻」。
      装いは踏襲されたが、中身は十分見直され完成の域に。
      こういうのを円熟と表現するのだろう。
      英検2級取得後の英文精読教材として最良だ。

      酷暑に耐え、冬の寒さにも耐えて

      2024/4/20

        ちょうど1年前の4月下旬、エキップ英語教室の庭にアオダモの木を2本植えた。野球のバットに古くから使われてきた成長が緩やかな木だが、最近庭木として人気があるらしい。株立ちのものを求めて、夏の午後、建物の日陰になる東側の庭に植え、そのうちパーゴラを備えた屋外テラスなど設けて、避暑の庭にするつもりだ。
        さて、そのアオダモ。昨年植えつけるのが少々遅くなった上、記録的な猛暑のせいで、8月下旬に葉をすべて落としてしまった。まだ十分に根が張っていない木が、葉からの水分の蒸発を抑えるため、自分で葉を落として酷暑を耐え忍んでいたようだ。インターネットで検索すると、全国的にそのような樹木の様子が見られたが、落葉の時期でもないのに茶色い葉を落として枝ばかりになった姿を見ていると、このまま枯れてしまうのではと、秋冬の間もずっと心配していたのだ。
        他の落葉樹に春の気配を感じ始めても、アオダモは枯れたように眠り続けたままだった。それがようやく、ここ一週間ほどで、葉芽に生命の兆しが表れ、少しふっくらとしかけたと思ったら、やがてはじけるように瑞々しい若葉を展開し始めたのだ。

        あーもーだめなんじゃないかと思っても、その個体が持つ生命力を信じ、やがて来るはずの春に復活の希望を託すというのは、何も植物に限った話でもないようだという飛躍した想像を搔き立ててもくれた。

        出る順パス単の謎

        2024/4/18

          さて今日は、「出る順パス単 英検準2級」の熟語編についてです。
          9年ぶりの改訂ですので、それらしい変化が見られます。
          例えば、hear from ~
          [4訂版]「~から便りをもらう(⇔write to ~)」に対し、
          [5訂版]「~から連絡を受ける、~から便りをもらう」と意味を追加し、反意表現を削除。
          [ロングマン]ではhear fromを to receive news or information from someone と定義していますから、手紙でなくて、メールでもLINEでもいいわけです。
          では、その熟語を使った例文を見てみましょう。
          [4訂版] I haven't heard from Jim since he moved to New York.
          「ジムがニューヨークに引っ越してから、便りをもらっていない」
          [5訂版] I haven't heard from her since she moved to New York.
          「彼女がニューヨークに引っ越してから、連絡をもらっていない」

          問)例文改訂に係り、正しいものを選びなさい。(複数選択可)
          a. 固有名詞の使用は、個人情報保護の観点から控えることにした。
          b. 女性への配慮を示すのが世の趨勢との認識に至った。
          c. 例文を差し替えると校正が大変なので、修正は最小限にした。
          d. 例文に「過去5年間の出題データ」を反映させる手間を惜しんだ。

          出る順パス単の謳い文句

          2024/4/16

            英検対策用単語集の定番として、『出る順パス単』(旺文社)があります。例えば、準2級用は、2021年の中学、2022年の高等学校、それぞれの学習指導要領改訂実施におそらく合わせて、2021年6月に5訂版として発行されました。前身の4訂版が2012年初版発行なので9年ぶりの改定です。
            「過去5年間の英検出題データ分析による『出る順』!」が謳い文句で、それぞれの版の表紙に大きく印刷されています。しかし、これは誤解をまねく可能性が大ですね。例えば、2020年に4訂版を購入された方は、「2015年~2019年の5年間の最新問題を基に編纂されている」と思って購入されたのではないでしょうか。
            でもそれは違います。実際の4訂版の基データは「2006年度~2011年度」の英検問題で、それをコーパスとした「出る順」本を2020年に「過去5年間」を謳って販売していたわけです。
            景品表示法的に問題があったのか、5訂版には「2015年度~2020年度の過去問題データである」ことが、小さな字で記載されています。
            よい本だと思いますので、誤解無きようご購入ください。
            左が4訂版、右が5訂版。
            単語の並びが、出る度順に、「動詞→名詞→形容詞・副詞・それ以外」のまとまりで表示[4訂版]から、同じ出る度順でも、「動詞→名詞→形容詞→副詞→接続詞・前置詞」の小セクションを4回転の形で表示[5訂版]と様式が変更されました。
            上へ