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大阪府 豊能郡 能勢町 下田尻1060

塾長 ブログ

helpは省略が止まらない

2025/12/7

    I helped my father to prepare dinner.
    目的語が短いものであれば、to (V)のtoは省略されるのが普通です。
    I helped my father prepare dinner.
    「父が夕食の準備をするのを手伝った」

    これは、よく使われる表現には省略が起こりやすいという、言語に共通する特性によるものと考えられます。
    このhelpを使う表現で、to (V) の (V) に go / come / get / be が続く時、その (V) も省略される場合があります。
    I helped an elderly woman (go) across the street.
    「おばあさんが通りを渡るのを手助けした」

    さらにこの省略が定着すると「熟語」として認知されます。
    Help your self ((go)) to some cake.
    「ケーキを自由に召し上がってね」

    向き合わず、同じ方向を見る

    2025/12/3

      「うまい香具師」は客と目を合わせないそうです。客を見ずに、「客が見ているもの」を見る。客が茶碗を見ていたら、一緒にその茶碗を見る。そして、「伊万里だっていうんですけど、どうなんでしょうね。本物ですかねぇ…」とかぼそりと呟く。そうやって、いつの間にか「どちらとも利害関係のない第三者」でもあるかのように客に「寄り添って」しまう。二人とも並んで品物を鑑定するような立場になって、「いや、その茶碗よりこっちの香炉の方がものはいいみたいですけどね」などという香具師の口車に乗せられて、気がつくと客は財布を取り出している…。
      「バディ」の作り方は、教育においても有効であろうと思います。

      これは内田樹『老いのレッスン』の一節です。相手と向かい合うのではなく、二人で同じ風景を、同じような感覚で、静かに眺めることが、医療や介護の世界で言われる「寄り添う」ということの意味だろうと続けます。
      名医は、病気を抱えた患者をこちらから見るのではなく、病気を「向こう側」に置いて、医者と患者がそれを並んで、同じ方向から眺めるという位置取りをするのだそうです。
      話しは親の老いとの向き合い方に繋がっていきます。・・・。

      Let's (V)はLet us (V)の短縮形

      2025/11/30

        Let's (V)はLet us (V)〈使役動詞+O+(V)〉の短縮形=口語的表現で、letは「使役」ですが、「~させる」ではなく「~するのを許す」の意味です。
        Let me have a look at that picture.
        「私がその写真を見るのを許して」→「ちょっと見せて」

        Let's~.で「~しよう」と単純に覚えていると、うっかり(V)を忘れる間違いをしてしまいます。
        ×Let's tennis.
        〇Let's play tennis.

        日本人には英語習得は難しいのか

        2025/11/26

          慶応大・堀田隆一教授のお話し。
          国際的な会議やビジネスでは、共通語として英語が用いられることが多く、ノンネイティブを含む英語話者は20億人で多言語話者よりも多い。英語が優越的地位にある「英語帝国主義」の様相もある。英語がこれだけ広まったのは、この300年弱の期間に、軍事・政治・経済・文化・技術の面で圧倒的な力を持ち、世界の覇権を握った英国と米国の言語がたまたま英語だったから。
          日本語話者にとって英語の習得が難しいのは、言語的に英語と日本語の類似点がほとんどないため。英語と共通項が多い欧州の言語話者と比べると、英語習得に長い時間が必要となるのは事実。英語使用の壁を越える一つの方法は、英米標準の英語へのこだわりを捨てること。
          世界の英語話者20億人の内、ネイティブが5億人で、ノンネイティブが15億人。日本人は英米標準の英語へのこだわり、憧れが強いが、もはや英語話者のマジョリティーは英米標準の英語で話してはいない。肩の力を抜いて、日本人英語をWorld Englishesの一つとして使用していく意識変更も必要。
          〈11/9付け朝日新聞記事より〉

          provide 人 with 物=provide 物 to 人

          2025/11/23

            動詞が前置詞と連動して作り出す表現は、考査や入試でも問われることが多い。次のような表現は参考書・問題集でよく見かけるだろう。
            (1) This picture always reminds me of my days in the U.S.
            「この写真を見ると、いつもアメリカで過ごした日々を思い出す」

            次のような〈動詞-前置詞〉の連動はどうだろう。
            (2) We provide the students with scholarships.
            「私たちは学生に『奨学金』を支給している」
            (3) = We provide scholarships to the students.
            「私たちは奨学金を『学生』に支給している」

            =で結んでいるが、英文には「end-focus(文末焦点)」の原則が働くので、(2)の文と(3)の文では焦点化しているものが異なる。こういうことばかりに気を取られていると、生徒が次のような英文を書いた時、(2)あるいは(3)の形に直すよう指導することになるだろう。
            We provide the students scholarships.

            だが、現在では、provideは「SVOO」文型で使われつつあるから、一概に間違いだとは言えなくなっている。教師がもっと勉強すべきなのだが、なかなか大変だ。
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