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塾長 ブログ

日本人には英語習得は難しいのか

2025/11/26

    慶応大・堀田隆一教授のお話し。
    国際的な会議やビジネスでは、共通語として英語が用いられることが多く、ノンネイティブを含む英語話者は20億人で多言語話者よりも多い。英語が優越的地位にある「英語帝国主義」の様相もある。英語がこれだけ広まったのは、この300年弱の期間に、軍事・政治・経済・文化・技術の面で圧倒的な力を持ち、世界の覇権を握った英国と米国の言語がたまたま英語だったから。
    日本語話者にとって英語の習得が難しいのは、言語的に英語と日本語の類似点がほとんどないため。英語と共通項が多い欧州の言語話者と比べると、英語習得に長い時間が必要となるのは事実。英語使用の壁を越える一つの方法は、英米標準の英語へのこだわりを捨てること。
    世界の英語話者20億人の内、ネイティブが5億人で、ノンネイティブが15億人。日本人は英米標準の英語へのこだわり、憧れが強いが、もはや英語話者のマジョリティーは英米標準の英語で話してはいない。肩の力を抜いて、日本人英語をWorld Englishesの一つとして使用していく意識変更も必要。
    〈11/9付け朝日新聞記事より〉

    provide 人 with 物=provide 物 to 人

    2025/11/23

      動詞が前置詞と連動して作り出す表現は、考査や入試でも問われることが多い。次のような表現は参考書・問題集でよく見かけるだろう。
      (1) This picture always reminds me of my days in the U.S.
      「この写真を見ると、いつもアメリカで過ごした日々を思い出す」

      次のような〈動詞-前置詞〉の連動はどうだろう。
      (2) We provide the students with scholarships.
      「私たちは学生に『奨学金』を支給している」
      (3) = We provide scholarships to the students.
      「私たちは奨学金を『学生』に支給している」

      =で結んでいるが、英文には「end-focus(文末焦点)」の原則が働くので、(2)の文と(3)の文では焦点化しているものが異なる。こういうことばかりに気を取られていると、生徒が次のような英文を書いた時、(2)あるいは(3)の形に直すよう指導することになるだろう。
      We provide the students scholarships.

      だが、現在では、provideは「SVOO」文型で使われつつあるから、一概に間違いだとは言えなくなっている。教師がもっと勉強すべきなのだが、なかなか大変だ。

      人をどう呼ぶか

      2025/11/19

        11/7から衆議院予算委員会で質疑が始まった。
        この予算委員会を取り仕切るのは委員長に就任した立憲民主党の枝野幸男さん。私がこういう政治家の名前をブログに書く時には、〇〇氏と疑いなく書いてしまいがちだ。
        さて、今国会の焦点は初の女性宰相に上り詰めた高市早苗首相がどのように論戦に立ち向かうかなのだろうが、枝野委員長も少しばかりの注目を集めているという。
        「仕切り役」の委員長は、閣僚や質問に立つ国会議員を、男女を問わず「〇〇君」と呼称する慣例が国会にはあった。しかし枝野委員長は「今どき、人を『君』なんて呼ばない」と軽やかに変更。
        「内閣総理大臣 高市早苗さん」「総務大臣 林芳正さん」のように呼称している。構えない、率直な議論が交わされる呼び水となればよいと思う。

        SVOO文型の基本は

        2025/11/16

          SVOOの第4文型で用いられる動詞は「誰に」「何を」という2つの目的語を伴います。この形と馴染みのよい動詞には、基本的に「与える」という意味が通底しています。
          (1) My father gave me red gloves.
          このgiveがsendやpassに変わっても、「与える」とい授与の意味は変わりません。
          (2) I'll send her a text message.
           「彼女に携帯でメールしておきます」
          (3) Would you pass me the salt?
           「お塩を回してくださいますか」

          SVOO→「授与」が理解出来れば、readやcookが第4文型で用いられるのもすぐに理解できるでしょう。
          (4) She read the children some books.
           「彼女は子どもたちに本を読んでやった」
          (5) My father cook me lunch yesterday.
           「昨日は父が昼ご飯を作ってくれた」 

          2026年度より英検検定料が「値下げ」

          2025/11/12

            何でも値上げの昨今、英検協会は来年度第1回から検定料を引き下げることを発表しました(2025/11/10)。
            AIを活用しての問題作成・採点業務の改革や、デジタル化推進等の結果により財務基盤の改善に一定の成果をあげたことに併せ、家計の教育費負担が増大している状況を踏まえ「公益財団法人としての使命に立ち返り」、生涯学習を支援し、全世代の英語力向上を後押しする観点から検定料の引き下げを決定したとのことです。
            値下げ金額は全級・全方式とも「一律100円」。
            いやいや、たとえ百円でも、その心意気・気骨が素晴らしい!
            これが政治家なら、次選挙で一票を投ずるところです。
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