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塾長 ブログ

他動詞には目的語が必要なはずなのに

2025/10/22

    英文理解の際、主語→動詞の確定に続き確認する必要があるのは、その動詞が目的語を持っているかどうかです。目的語を必要とする動詞は「他動詞」で、目的語を必要としない動詞が「自動詞」です。
    例えば、takeは通常、他動詞として用いられ、直後に目的語〈動詞の対象となる語〉を置きます。
    I'll take you to the park.

    ところが、中には、この原則が当てはまらない場合もあります。
    (a) We took into consideration each child's physical strength.
    この例では、動詞takeの直後に名詞が無く、代わりに「前置詞+名詞」が置かれています。「前置詞+名詞」は一つの塊chunkを形成するので、intoを無視してconsiderationが目的語だとはなりません。

    take+O+into considerationで「Oを考慮する」の意味になり、上記の例文をこれに当てはめて表現すると、
    (b) We took each child's physical strength into consideration.
    となるのですが、目的語が長いので、took-into considerationの関係性が見えにくく(理解しにくく)なってしまいます。
    そこで、長い目的語を後置する(a)ことで、その関係性を明示する方を優先している訳です。
    「私たちは考慮したのです→子ども一人一人の体力を」が成立するほどに、「takeには目的語があるはず」という安心感がこの表現を可能にさせるのでしょう。

    辞書を新調しました

    2025/10/19

      長く座右にあった辞書だが、さすがに30年も使っているとそろそろ新しくしなければと思い、先日新調した。もちろん、英和辞典や英英辞典は最新版が出ればすぐ買い求めるので(私は『ジーニアス』と『ロングマン』)、今回新調したのは国語辞典だ。かつて同僚に薦めてもらった『現代国語例解辞典 第1版』(小学館)で不足感は全くなかったが、言葉というのは変化もするので、辞書は適切な時期に更新すべきだったろう。
      今回も同僚に「国語辞典を新しくしたいのですがお薦めはありませんか」と聞いてみたが、「語釈やらフォントやら、合う合わない、使いやすい使いにくいがあるから、書店で見比べるのがいいですよ」と金言をいただいて、梅田の大型書店にいそいそ出かけた。
      各社から何冊も出版されているので、インターネットで下調べし、候補を2~3に絞っておいた。ただネット情報も所詮他人の書評だ。『現代国語例解辞典 第5版』(小学館)は国語の先生の使用率が高いと好評だったが、私にはごちゃごちゃと見にくいのですぐ落選とした。
      結局購入したのは『岩波国語辞典 第八版』。端正にして簡潔な語釈がとてもよいと感じた。広げた時に横幅をあまり取らない収まりの良さも気に入った。たぶん生涯最後の国語辞典となるだろう。

      ofの意外な意味

      2025/10/15

        前置詞ofは「所有」を表す「…の」の意味を最初に習うでしょう。
        the Gulf of Mexico [the Gulf of America]「メキシコ湾」

        高校生になれば、動詞と組み合わせて、「…について」の意味の表現を習います。
        This music reminds me of my hometown.
        「この音楽は私に故郷について思い出させる」
        I informed the members of the next meeting.
        「私は部員に次の会合について知らせた」

        そして古い英語で、ofが「…から離れて」の意味を持った名残りとして、次のような表現にも出会うでしょう。
        The men robbed the safety box of money.
        「男たちは金庫から金を盗んだ」
        The medicine cured my father of his disease.
        「その薬は父の病気を治した」 
        We cleared the street of snow.
        「私たちは通りの雪を除雪した」

        ノーベル賞は誰に微笑むのか

        2025/10/12

          生理学・医学賞を受賞した坂口志文さんに続き、化学賞を北川進さんが受賞した。
          坂口さんの座右の銘は「一つ一つ」なのだそうだ。「一つ一つ」に続く言葉は何だろうか。「(一つ一つ)着実に」、「(一つ一つ)抜かりなく」、「(一つ一つ)丹精込めて」仕事をしてこられたのだろう。
          北川さんが若き科学者たちに贈る言葉は細菌学者パスツールの名言だ。「幸運は準備された心に宿る」パスツールはフランスの人なので元はフランス語なのだが、英訳されてChance favors the prepared mind.の成句となっている。chanceは「偶然に与えられた好機」の意味で、favorは動詞で「支持する、選ぶ;えこひいきする、目をかける」を意味する。preparedは動詞prepare「…を準備する」の過去分詞が元なのだが、今では辞書に形容詞で登録され「用意[覚悟]のできた」の意味で、mindは「心、精神→知的な人」。
          すると私的には「覚悟を持った人のところに好機はやって来るものだ」としておきたい。「幸運の女神に選んでもらえるように準備せよ」ということだ。
          パスツールの別の言葉で締めくくろう。
          「私が目標を達成できた秘訣を教えよう。それはね、絶対に諦めないことだよ」

          学校の授業こそ真剣に

          2025/10/8

            中学は義務教育(もちろん「親に子供を就学させる義務がある」の意味)だし、高校も大阪なら維新の政策もあり私学の授業料実質無償化が実現している。こうなってくると、義務教育が12年間続いているような錯覚に陥るかもしれない。学校が学習の場であると言うよりは、友達と会える場(もちろんそれも重要なのだが)と認識され、「本気で勉強するのは学校外の塾や予備校」と考える生徒もいるかもしれない。でも、それはあまりに「もったいない」思考法だと言える。
            学校にいる時間は朝の8時から15時くらいだろうか。この7時間を充実させることなく、放課後の1~2時間の学校外の学習で最大の成果を得ようとするのは、主菜で必要な栄養を得ようとするのではなく、デザートから主たる栄養を摂ろうとしているようだ。
            学校の授業から得られるものを最大得て、学校外学習に臨めば、「既習事項が8割で、新しく得る知識が2割」くらいの最も学習が上手く進む黄金比を得ることになる。
            学校の学習でしっかり体力をつけ、さらなる学力アップのための少しのヒントと新情報を得ようとする態度を涵養してほしい。
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