エキップ英語教室 エキップ英語教室

大阪府 豊能郡 能勢町 下田尻1060

塾長 ブログ

教員のパフォーマンスを引き出すには

2026/5/3

    変化のスピードにはいろいろあるが、学習に限っては急激な伸長というのはあまり望めない。学習面で何かを取り入れてみたとしても、その効果が表れるのは4ヶ月は先になるだろう。今から始めて、夏休みが終わる頃、ようやくその効果が表れるようになる。
    学習面で取り入れるべきその何かだが、最も必要で効果的なのは学習時間の拡張だ。1時間を2時間にする。それに慣れたらさらに3時間に。中学3年や高校3年のこの時期なら、少なくとも平日にこれくらいの学習量は必要だ。
    効率的な学習やタイムパフォーマンスを目指すのは、平日5時間の学校外学習をこなせた先の話であろう。一人ではその学習量の維持は難しいだろうから、友人やクラスメイトと家庭学習の時間を合わせて取り組んでみるのもいいだろう。
    進学を意識した学校の、受験教科の担当者なら、これをやりなさいという適切な課題を設定してくれるかもしれない。この辺りは、その担当者が生徒の学力把握・学習状況把握に基づいておこなうのだが、それは担当者にとって必ずしも義務的なものではないから、担当者によって玉石混合の状態であるかもしれない。
    生徒の力を伸長させるのは教員の役割のひとつだろうが、生徒として覚えておくべきなのは、教員の力を引き出すのも、また生徒であるということだ。先生から+αを引き出したいなら、自分も+αの意欲を持って授業に臨む。日頃から十分に研鑽を積んでいる先生なら、通常の授業で発揮しているパフォーマンスは、本来その先生が持つパフォーマンスの3-4割程度ではないだろうか。もっと多くを引き出して有用に利用したいなら、授業に積極的に係わることでこそ、それが可能になる。
    教員の持つパフォーマンスの7割くらいが引き出されるのであれば、生徒も教員も充実感を持って授業を終えられるようになるだろう。

    学力を問う問題

    2026/4/29

      英語の試験は英語力が問われます。ですが、英語の問題は単に英語力だけが問われているわけでもないのです。

      Tom will be in London by now.
      willは未来の事項に対して用い「~だろう」、byは完了の期限を表して「…までには」。byをtill/until[継続の期限:…までずっと]としっかり区別できているのはよいが、
      「トムは現在までにはロンドンにいるでしょう」では、この英文の表す内容がきちんと理解されているとは言い難いと思います。学力が支える疑問が解決への道筋を立ててくれます。

      【解法①】willを未来と考えるとどうもしっくりこない
      willは未来を表すことが大半ですが、現在の事柄に関しても用いることができます。「これからロンドンに行くだろう」→「今、ロンドンにいるだろう」

      【解法②】by nowを「今までには」とすると、ニュアンスは理解しえても日本語として聞いたことがない
      nowは「今」ですが、「現時点」と言い換えることも出来ます。これと「継続の期限:…までには」を日本語に馴染むようすり合わせ、willの時の幅を現在にまで拡大すれば、「今頃は」との訳に至るかもしれません。

      「トムは、今頃ロンドンに到着しているだろう」と出来るのは、単に英語知識だけではなく、日本語運用能力やそれを支える学力があるからなのです。

      教師はAIに勝るか

      2026/4/26

        AIが普及していく時代に、外国語を学ぶ必要はどこにあるのか。私が英語科の教員であることを知っている人から、そんな問いを受けることが多い。あなたとAIはどちらが優秀ですか(もちろんAIですよね)というのが、問の裏にあるもう一つの問というか受け入れを迫られる認識であることは容易に想像がつく。
        外国語を道具として日常の用を足す際に、それを支援する能力ではAIが英語科教員を圧倒する。ChatGPTより強力な支援者になれる英語科教員はまずいないだろう。私も同様。
        だがこの場面で求められているのは「日本語→AI→外国語/外国語→AI→日本語」の翻訳機能の優劣であろう。自分の頭の中で言語変換出来て、それが相手に伝われば最良だろうが、AIが変換を代替してくれて、自分の用が足せればそれでも十分事足りる。求められていることは用を足すことであって、自分の知的ジャンプなどではない。
        英語科教員が果たすべき役割とは、生徒の現下の用を足すことではなくて、生徒の知的ジャンプを可能にするための計画的な仕事だ。必要な知識を与え、刷り込みを行って、生徒の頭の中に定着させ、それらが複層的に重なり合うと同時に思考も充実して、以前は考えもしなかった生徒の知的ジャンプを可能にする取り組みだ。
        その取り組みは、生徒の気づかないところで、保護者の眼にも止まらず進行し、気づいた時には以前とは全く違った自分に生徒がなっていたという形で表出する。3年でその成果が出ればよいが、10年以上の時を経てようやく日の目を見るということも珍しくない。が、それは自動発火装置のように来たるべき時が来れば自然発火するように予め計画されているのだ。ほんと。ほとんどの人がその仕掛けに気づくことはないのだけれど。

        had betterに否定語notを追加する

        2026/4/22

          notは否定語。これは英語学習者が知っている基本事項。notの'n'はその「否定」の信号をまとって、neverとかneitherとかいった語に影響を与えている。
          notのポジション理解は大切で、be動詞と組み合わせる時には〈be+not〉と位置するし、一般動詞との組み合わせでは、〈do/does/did+not+(V)〉と表現される。neverはnotと同じ「否定の副詞」なので、置かれる位置もnotと同じ。これが分かっていると「頻度を表す副詞」であるalways/usually/often/sometimes/rarely/neverもnotと同じ位置に置かれることが納得できる。
          助動詞will/can/may/should/mustなどとnotの組み合わせはbe動詞の場合と同じく「助動詞+not」のポジション取りとなる。中3で完了形を習うが〈have+(V)p.p.〉のhaveは実は助動詞なので、notはhaveの後ろに組み込まれ、have+not+(V)p.p.となる。
          こういった学習過程を経て、had better (V)「~したほうがよい」を習うと、notの位置が完了形の知識に引っ張られ、×had not better (V)としてしまうのも無理はない。正しくはhad betterの2語で一つの助動詞の働きをすると解釈し、〈had better not (V)〉と表現することを身につけるには、「事前の刷り込み」の客観理解→「そこに間違いが発生するスキがある」との思慮深い見識→「間違わないようにするには」→「意識的な操作」が必要だとの知的理解が必用になってくる。ご用心。

          AIを利用する

          2026/4/19

            私はとある私立高校の非常勤講師も務めており、現在高校3年の演習科目を担当している。学校設定科目だから検定教科書を使う必要はなく、これはと見込んだ教材を基に、自作のプリント教材を作成して授業している。元教材は市販の問題集だが、さくっと下調べ程度に読んだ時には気づかなくても、それを基に教材化する際に詳細に点検すると問題集の記載に間違いがあることを発見するのが常だ。まあ、人間にも間違いはつきものなので、書籍だけを責める訳にはいかないが、問題集はもとより、赤本にも間違いはあり得るのだということは知っておいた方がよい。
            そんな時、相談相手になってくれるのがChatGPTだ。元の英文を示して私の見解を添え、Chatさんの意見を伺う。ChatGPTは論拠を示し、自らの見解を返してくれるが、最初は腑に落ちない回答であることもままある。私の質問の核心とChatさんの回答が上手くかみ合うには何回かのやり取りが欠かせない。「自分の問いかけは、誰にとっても間違いなく理解される正確性を持っているか」試されることになる。
            ChatGPTは大変優秀な秘書で、隣のビルにある地下10階、地上50階建ての図書館から、必要な資料を瞬時に探し出し、要領よく報告してくれる。使用者の問を基に、予想されるニーズを想像し、それをてきぱきと提案してくれるのは、アマゾンで商品を検索した時に、「この商品を捜している人が同時に購入した本」を列挙してくれるサービスと同形の情報処理なのだろう。
            だが、AIが参考にし、整理推測して提示してくれるのは、全てインターネット上にある既出の情報の組み合わせである。使用者の問いかけには適切に応えるが、使用者の次なる発問が完全にAIに予想できる訳ではない。その範囲で役に立つ優秀な秘書というのが現ポジションだ。
            この秘書に上手に支援してもらい、秘書が類推し得ない次なる問を立て、さらにそれに対する解を得るべく、秘書の支援を仰ぐというのがAIとの良き向き合い方であろうと思う。
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