塾長 ブログ
『英文法ハンドブック』
2025/9/10
9/7(日)、駿台予備学校が主催する教育探求セミナーに参加した。竹岡広信先生から直接、英語に係る最良の金言をいただける珠玉の機会である。先生のご紹介では、遠くは九州からの参加者もいらしゃったようだ。時間以外に、受講料、交通費、もしかしたら宿泊費も必要かもしれない。それでも参加したいと思わせる魅力が竹岡先生のセミナーにはある。私も、最上のモチベーションと課題を得た。
参加者全員に、今年出版されたばかりのご著書『英文法ハンドブック』が贈られた。竹岡先生の知識の全体像を何とか把握するのに、これまでは各著書を読み込んで、各教材に橋を架け、情報を整理・蓄積していくことが求められた。それは英語指導者として、何を準備しておくべきなのかを知る最良の機会でもあるのだが、手間暇を必要とすることも事実であった。それがどうだろう、このハンドブックが傍らにあれば、湧いてくる疑問を全て竹岡先生にぶつけて、的確な解答を得ることが最小の努力で叶えられるようになったのだ。上梓されたばかりで、いくつか編集上のエラーがあるようで、既にお気づきの個所をいくつか教えていただいた。参加者は「使い込んでいただいて、間違いを発見されたら竹岡に教えてください」とのお言葉をいただいた。年末までの4カ月、ゆっくり竹岡先生の知識を吸収し、万一誤植を見つけたならば、お礼に報告したいと思う。
参加者全員に、今年出版されたばかりのご著書『英文法ハンドブック』が贈られた。竹岡先生の知識の全体像を何とか把握するのに、これまでは各著書を読み込んで、各教材に橋を架け、情報を整理・蓄積していくことが求められた。それは英語指導者として、何を準備しておくべきなのかを知る最良の機会でもあるのだが、手間暇を必要とすることも事実であった。それがどうだろう、このハンドブックが傍らにあれば、湧いてくる疑問を全て竹岡先生にぶつけて、的確な解答を得ることが最小の努力で叶えられるようになったのだ。上梓されたばかりで、いくつか編集上のエラーがあるようで、既にお気づきの個所をいくつか教えていただいた。参加者は「使い込んでいただいて、間違いを発見されたら竹岡に教えてください」とのお言葉をいただいた。年末までの4カ月、ゆっくり竹岡先生の知識を吸収し、万一誤植を見つけたならば、お礼に報告したいと思う。
接続詞なのか、前置詞なのか
2025/9/7
We must be willing to reexamine the evidence behind a claim rather than accept/accepting it blindly.
「私たちは、ある主張を盲目的に受け入れるのではなく、その主張の背後にある証拠を厭わず再検討しなければならない」
thanを接続詞だと考えれば、(to) reexamineとの対比で、原形不定詞accept。
thanを前置詞だと考えると、動名詞acceptingとなります。
文法規則が先行する訳ではなく、使用実例を解きほぐすために文法があります。
まず、そんな表現があるのだなと鷹揚に受け止めて、そういうことなんだねと理解を示す。外国語に興味を持ち、母語との比較考量を重ねながら、そういう言葉の紡ぎ方があるのか!もっといろいろ知りたいという気持ちがどうやれば芽生えるか。教える立場の者が先ずはおもしろがること。言葉を扱う職業を持つ者の思いは変わらないだろう。
「私たちは、ある主張を盲目的に受け入れるのではなく、その主張の背後にある証拠を厭わず再検討しなければならない」
thanを接続詞だと考えれば、(to) reexamineとの対比で、原形不定詞accept。
thanを前置詞だと考えると、動名詞acceptingとなります。
文法規則が先行する訳ではなく、使用実例を解きほぐすために文法があります。
まず、そんな表現があるのだなと鷹揚に受け止めて、そういうことなんだねと理解を示す。外国語に興味を持ち、母語との比較考量を重ねながら、そういう言葉の紡ぎ方があるのか!もっといろいろ知りたいという気持ちがどうやれば芽生えるか。教える立場の者が先ずはおもしろがること。言葉を扱う職業を持つ者の思いは変わらないだろう。
単純でジャンクなものを食べるかどうか
2025/9/3
〇〇人ファーストを掲げる人達がいる。アメリカにもいるし、イギリスにもいる。だから日本にいても不思議ではない。ポリティカル・コレクトネスなど聞こえの良い話は偽物で、粗雑で単純でジャンクに思われる主張こそ本物であるという立脚点は未だ一定支持されているようだ。
多面的に物事を監察し考えることに疲れた人々のニーズに合っているのだろう。しかし、時間をかけた観察や思考にこそ、善なるものがひそんでいると教えてくれる人もいる。
善なるものというのは多くの場合、理解したり嚙み砕いたりするのに時間がかかるし、面倒で退屈な場合が多いんです。でも、「悪しき物語」というのはおおむね単純化されているし、人の心の表面的な層に直接的に訴えかけてきます。ロジックがはしょられているから、話が早くて、受け入れやすい。だから、汚い言葉を使ったヘイトスピーチのほうが、筋の通った立派なスピーチより素早く耳に入ってきます。
(村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ』126頁)
多面的に物事を監察し考えることに疲れた人々のニーズに合っているのだろう。しかし、時間をかけた観察や思考にこそ、善なるものがひそんでいると教えてくれる人もいる。
善なるものというのは多くの場合、理解したり嚙み砕いたりするのに時間がかかるし、面倒で退屈な場合が多いんです。でも、「悪しき物語」というのはおおむね単純化されているし、人の心の表面的な層に直接的に訴えかけてきます。ロジックがはしょられているから、話が早くて、受け入れやすい。だから、汚い言葉を使ったヘイトスピーチのほうが、筋の通った立派なスピーチより素早く耳に入ってきます。
(村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ』126頁)
学力を測る英語問題-3
2025/8/31
英検3級の過去問から、
問.( )に入れるのに最も適切なものを一つえらびなさい。
Father: Lucy, don't run across the street. ( )
Daughter: Don't worry, Dad. I won't.
1 It's dangerous.
2 It's time to go.
3 It's for you.
4 It's over there.
「ルーシー、通りを走って渡っちゃいけないよ。( )」
「大丈夫よ、お父さん。I won't.」
I won't.をI want.と取り間違える人は2を選ぶ可能性もあります。won't=will notから、それ以下に省略されている個所(重複部分)が何であるかつかむとI won't (run across the street).であることがわかります。
損得が行動基準の人は3を選んでしまうかもしれないし、あっちの横断歩道を渡るように言ってるんだなと勝手に捉えてしまう夢想家は4を選ぶかもしれません。「ダメだ。(理由提示)→反応。情報追加による意思伝達」から、間違いなく1を選べるのが学力のある子です。
問.( )に入れるのに最も適切なものを一つえらびなさい。
Father: Lucy, don't run across the street. ( )
Daughter: Don't worry, Dad. I won't.
1 It's dangerous.
2 It's time to go.
3 It's for you.
4 It's over there.
「ルーシー、通りを走って渡っちゃいけないよ。( )」
「大丈夫よ、お父さん。I won't.」
I won't.をI want.と取り間違える人は2を選ぶ可能性もあります。won't=will notから、それ以下に省略されている個所(重複部分)が何であるかつかむとI won't (run across the street).であることがわかります。
損得が行動基準の人は3を選んでしまうかもしれないし、あっちの横断歩道を渡るように言ってるんだなと勝手に捉えてしまう夢想家は4を選ぶかもしれません。「ダメだ。(理由提示)→反応。情報追加による意思伝達」から、間違いなく1を選べるのが学力のある子です。
#withyou~きみとともに~
2025/8/27
多くの学校で2学期が始まった。タイトルは朝日新聞の子供たちに寄り添う企画から。今回は芥川賞作家の金原ひとみさんだ。小・中学校はほぼ不登校で、高校は数ヶ月で退学したのだそう。
当時は学校の空気と、その中にある全てがいやでした。固定的な人間関係、同じ時間に同じ場所に通うルーティン…。周りの子ともあまり話が合いませんでした。誰かが誰かを好きとか、下ネタとか、子供っぽいと小馬鹿にしているところがありました。〈中略〉
さらに、子ども時代を思い出し、周囲を見下すことで自分を保っていたんだということにも気づけました。
ただ、こうして他人を受け入れられるようになったのは、これまで自分をかたくなに守ってきたからでもあるんです。子どもの時に適応を強制されていたら、精神が持たなかったと思います。
5年くらい前、父に「子どものころが一番つらかった」と話したら、「子どもが苦手な子どもっているんだよ」と言われました。・・・(2025.08.26)
子供の生きづらさが言われる現代。子どもの大変さは「自分が必要としている語彙を、まだ身につけられていない」ことにもあるのではないか。子供と大人で、物事を受信するセンサーの優劣はおそらくない。ものすごく鋭敏にさまざまなものを受け止めるが、語彙が不足しているため、それが何であるかが漠として、自分と周囲の世界との関係性を掴めない。ただ、語彙の獲得にはその語彙が求めるだけの知的な発達が必要で、それにはどうしても時間がかかる。だから、必要なだけの語彙を身につけるまで子供の大変さは続くし、子どもっぽい大人の存在も容易にはなくならない。
当時は学校の空気と、その中にある全てがいやでした。固定的な人間関係、同じ時間に同じ場所に通うルーティン…。周りの子ともあまり話が合いませんでした。誰かが誰かを好きとか、下ネタとか、子供っぽいと小馬鹿にしているところがありました。〈中略〉
さらに、子ども時代を思い出し、周囲を見下すことで自分を保っていたんだということにも気づけました。
ただ、こうして他人を受け入れられるようになったのは、これまで自分をかたくなに守ってきたからでもあるんです。子どもの時に適応を強制されていたら、精神が持たなかったと思います。
5年くらい前、父に「子どものころが一番つらかった」と話したら、「子どもが苦手な子どもっているんだよ」と言われました。・・・(2025.08.26)
子供の生きづらさが言われる現代。子どもの大変さは「自分が必要としている語彙を、まだ身につけられていない」ことにもあるのではないか。子供と大人で、物事を受信するセンサーの優劣はおそらくない。ものすごく鋭敏にさまざまなものを受け止めるが、語彙が不足しているため、それが何であるかが漠として、自分と周囲の世界との関係性を掴めない。ただ、語彙の獲得にはその語彙が求めるだけの知的な発達が必要で、それにはどうしても時間がかかる。だから、必要なだけの語彙を身につけるまで子供の大変さは続くし、子どもっぽい大人の存在も容易にはなくならない。

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