エキップ英語教室 エキップ英語教室

大阪府 豊能郡 能勢町 下田尻1060

塾長 ブログ

an elevator / the elevator

2025/8/10

    数えられる名詞につける、aとtheもどう選択すればよいか悩んでしまう場面があるでしょう。
    「エレベータが来るのを待つ時に、10秒も経たないうちにイラついてしまう」であれば、
    When I wait for an elevator / the elavator to come, I get annoyed within 10 seconds.
    でしょうが、an elavatorと表現すべきか、the elevatorとすべきか悩んでしまうのではないでしょうか。
    ここでのエレベータは、任意の昇降装置であり、ボタンを押して到着するのは通常1台のエレベータでしょうから、elevatorsよりはan elevatorの方が自然でしょう。また、何か特定のエレベータを指すのではなく、どれかやってくる1台のエレベータですから、the elevatorよりもan elevatorの方が適切であるようにも思われます。しかし、一番自然な表現は、
    When I wait for the elavator to come, I get annoyed within 10 seconds.
    です。「仮想の場面であっても、やって来るのは目の前にある(限定された)エレベータ」と考えるのです。場面想起力が必要とされますね。

    文科省調査~学力・大幅低下

    2025/8/6

      3年毎にほぼ同じ問題で小6・中3生の学力変化をみる「経年変化分析調査」の結果が発表された。対象教科は小学生が「国・数」で、中学生が「国・数・英」。結果は500を基準とするスコアで示されるが、全教科でスコアが低下した。中でも一番低下したのが中3生の英語で、スコアは478.2(前回比22.9ポイント減)という。
      学力調査と同時に行われた周辺調査では、勉強時間が長いほど成績は高く、スマホの使用・ゲーム遊びも時間が長いほど成績スコアは低かった。この辺りは当たり前の結果。つまり、勉強すればするほど学力は高くなるが、やらなければ身につくはずもないということ。
      文科省の見解では、中3生は小学校で外国語を習い始めた時期がコロナ禍と重なり「話すこと」が積極的に出来なかった影響と分析しているそうだ。だが、果たしてそうか?
      お茶の水女子大学名誉教授の耳塚先生による要因分析では、①勉強時間の減少、②「知識・技能」の定着不足、③家庭の経済的背景、④デジタル環境の影響が考えられるという。
      おそらく、最も重要なのは②であろう。「知識・技能」と対置されるのは「思考力・判断力・表現力」だが、前者を軽視し、後者にスタンスする傾向が近年、学校現場では非常に強い。どんどん英語を使うことが文科省の求める方向なのだろうが、空っぽの容器からさまざまな知的表現が泉のごとく湧き出るはずがない。アウトプットのためには、しかるべき量に達するまで必要な知識をインプットする必要がある。「知識・技能の再評価・再構築」がなければ、英語力の低下は止まらないだろう。

      駿台予備校の決断

      2025/8/3

        駿台予備学校が2026年度から、各大学・学部の合格者数の公表をおこなわないと発表した。受験生の多くが複数の塾・予備校やオンライン教材等を併用して学ぶことが一般的となり、単一の教育機関における合格者数が本来の意味を持ちにくくなってきているのが理由だという。
        例えば、2025年度入試において、東大の一般選抜前期日程の合格者は2,997名だったが、主要な塾・予備校が公表する合格者数を合計すると、実際の定員を大きく上回る数字になり、その数値の信頼性や意味が形骸化しているとの判断だったようだ。
        合格者数は塾・予備校にとって、「信頼」や「実績」の象徴であり、受験生や保護者にとって学習機関決定の重要な指標であった。予備校のトップランナーである駿台だからこそ出来る自信の成せる技なのであろうが、これに追従できる塾・予備校はあるだろうか。
        また、大学合格実績を多くの高校が公表しているが、自校の教員による指導で合格に導いたと言える高校がどれだけあるだろうか。大学合格数だけでは分からない、各高校の本当の学習指導力を見極める力が、中学校の先生や高校受験塾の指導者に必要だということを思い知らされた大きな決断だった。

        a computer / computers

        2025/7/30

          「私はネコが好きです」なら、I like cats.とcatを複数形で表します。ネコは同時に複数いて、それで自然だからです。数えられる名詞の単数・複数は悩ましい問題ですが、予め「この単語は単数でとか、この単語は複数で」と決まっているものではなくて、場面に応じて自然な方を選ぶという発想が大切です。
          「コンピュータは日々の生活に欠かせないものになっている」と表現したければ、どのコンピュータと限定するものではなく、世の中にあまねく存在するコンピュータという意味ですから、
          Computers have become an integral part of our daily lives.
          となるのが自然ですし、
          「コンピュータを使う時には2時間に1回は休憩した方がよい」であれば、目の前にあるコンピュータは通常1台でしょうから、
          When using a computer, it is better to take a break every two hours.
          が自然な表現になります。

          声を低くすると

          2025/7/27

            7/2の塾長ブログに書いた。説得的話法のためには、アリストテレス『弁論術』によれば、Logic(話の論理)とEthics(話者の倫理)、さらにPassion(伝えようとする熱情)が必要だと。加えて、相手により信頼感を持ってもらうにはVoiceの質も重要だ。
            自分の主張を相手に届けることを仕事の基礎とする政治家は、世界的に見れば声が低い。もう亡くなられたが米国の元国務長官:キッシンジャーなどは声がとても低かった。女性は男性よりも声が高いのだが、鉄の女と称された英国のサッチャー元首相は、権威を得るために声の周波数を60ヘルツも下げたそうだ。
            一般的に声が高い人は低い人に比べ「真実味や力強さに欠ける」との印象を持たれる傾向があるという。米国の元国務長官:ヒラリー・クリントンやドイツのメルケル元首相も意図的に声を低くしたことが知られる。
            日本人女性の声は世界的に見ると高いグループに属すという。話の中身も大事だが、その話を相手に届けるVoiceの質にも意識を持ってはどうだろう。
            聞いた話だが、かつてのブロードウェイのミュージカル、その後オードリー・ヘプバーンが主演して映画化された『My Fair Lady』でも、その人が属する社会階級を声の高低が興味深く描いている(らしい)。音声学者のヒギンズ教授が、ロンドン下町のコックニー訛りの花売り娘イライザを舞踏会で通用するレディに仕立て上げる話だ。今年の夏の研究課題として古い映画を楽しもうと思っている。
            上へ