エキップ英語教室 エキップ英語教室

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塾長 ブログ

It is ~ that SV に学ぶ現在時制の注意点

2025/6/15

    It is dangerous that you think your values are the only correct ones.
    「自分の価値観が絶対だと考えるのは危険です」

    〈点検1〉 It is dangerousで、SVC「それは危険だ」。
    Itはthat節を受ける形式主語。
    〈点検2〉that you think (that) your values are the only correct onesは、
    you think (that)で、S'V'O'「(that)以下と考える」。
    〈点検3〉your values are the only correct onesは、S''V''C''。
    onesはvaluesの反復を避けるための代名詞。
    書き終えた後、きちんと文構造を点検しても間違いはなさそうです。

    でもここで、It is dangerous that you think SV.を使うのは不可です。
    動作動詞の現在時制〉は、繰り返される「習慣的行為」を表すので、一番上の文は「自分の価値観が絶対だと、あなたは実際考えていますが、それは危険です」の意味になってしまうからです。
    「自分の価値観が絶対だと考える~」は「一般論」で、特定の目の前にいるあなたのことを言っているのではないのです。この場合は現在時制を使わずに、to (V)を使って、次のように表現します。
    It is dangerous to think (that) your values are the only correct ones.
    「自分の価値観が絶対だと考えるのは危険です」

    TOEICで替え玉受験

    2025/6/11

      英語力を測る4技能型検定の一つTOEICで替え玉受験をしようとしたとして、京都大学大学院生が建造物侵入容疑で現行犯逮捕された。この容疑者は別会場でも他人になりすまして受験したとして有印私文書偽造・同行使で再逮捕されている。
      容疑者は逮捕された際、マスク内に通信用アンテナ付きの小型マイクを隠し、カメラ機能付きスマートグラスを装着していたようだ。逮捕日に同容疑者と同じ住所によるTOEICの申し込みが43件あったらしく集団カンニングが疑われている。
      4技能型検定と先に書いたが、TOEICは1試験で4技能を測ることはなく、基本TOEIC L&RとTOEIC S&Wに分かれる。英検のように受験級毎に問題が用意されることはなく、受験者は皆同一の問題を受験する。
      TOEICはビジネス場面で、日本人がどの程度英語を運用できるかを測定するもので、同L&Rは受験者も多く、大学生の就職活動や社会人のキャリアアップ、海外赴任の条件にもなる場合がある。TOEICの替え玉受験を依頼して海外赴任の機会を得たとしても、赴任して困るのはその依頼者なのだから、そういう目的ではないのだろう。就職活動の履歴書をよく見せたい就活生かキャリアアップの条件を整えたい社会人が依頼者なのだろうか。
      ビジネスにおける英語力の重要性がそうさせるのだろうが、それで得た内定やキャリアにおける仕事場面で逆に困ることにはならないのだろうか。一定のTOEICスコアさえ獲得できれば、後はAIの助けを借りて上手くやるということなのか。
      エキップ英語教室は英検の準会場として、検定試験を実施している。これを他山の石として、緊張感を持って運営に当たりたいと思う。

      失われてしまった「比喩」

      2025/6/8

        内田 樹が『沈む祖国を救うには』のなかで、失われていった比喩表現について書いている。なるほどと思うので紹介したい。

        農業が基幹産業である社会では、あらゆる場面で農業のメタファーが用いられた。〈中略〉
        私たちはそういう植物的な比喩の中で育てられた。だから、教師がガリ版刷りしていた学級通信の題名は多くが「めばえ」とか「わかば」とか「ふたば」とかいう植物的語彙から採られていた。だれもそれが変だとは思わなかった。
        基幹産業が変わると、「価値あるもの」が何かについての社会的合意も変わる。私が1960年代に経験したのは、「価値あるもの」を言い表すときに「農業の比喩」を使う習慣が失われたことである。でも、そのときには気づかなかった。
        基幹産業が重工業に移行すると、人々は「重さ」や「量」や「速さ」で価値を言い表すようになり、基幹産業がサービス業に移行すると「効率」や「生産性」や「汎用性」で価値を言い表すようになり、さらに産業が高次化すると、もう語彙がなくなってしまって、あらゆるものを「貨幣」で置き換えて言い表すようになった。
        だから、今は子どもたちを育てるときに、大人たちは「この子は将来いくら稼ぐか」というものさしを使う。

        基本的なところに目を向ける

        2025/6/4

          目の前の事象に気を取られ、本当に基本的なところに目が向かないということが時にあります。
          非常勤講師を務める職場で、プロジェクタを起動するリモコンが見当たらなくて授業を始められず、職員室に所在を問い合わせたところ、その教室では、リモコンではなくて教室内のパネルでプロジェクタを制御する仕様になっていました。別の機会でも、職員室のプリンタが使えなくて、インターネットの接続やPCのプリンタ設定などいろいろ確認したところ、いつもは入れっぱなしのプリンタの電源がなぜか切られていただけということもありました。
          先日、家でDAZNをテレビで視聴しようとしたところ、Fire TVには繋がるもののDAZNが全く反応しないということがありました。Fire TVのWiFi設定がおかしいのか、それともFire TVアプリとの連携に問題があるのか、何度も付けたり消したりしてみましたが状況は改善しません。スマホで「Fire TV DAZN 見れない」で検索してトラブルシューティングを確認したところ、「本体の電源を抜いて、1分後に入れ直す」と対処法:1に出ていたので実行すると、DAZNは機嫌よく動いてくれるようになりました。
          複数のモノを連携させて作業する時、上手くいかないことがあると、その連携環境の不具合かとすぐに思ってしまうのですが、その「思い込み」が電源が入/切という極めてシンプルな問題を思いつけない「原因」になっているという不思議さを感じます。

          deliciousは「おいしい」か

          2025/6/1

            deliciousを単語集や辞書で調べてみると、どれにも「とてもおいしい」と記されています。'very pleasant to taste or smell' の意味です。pleasant[pléz(ə)nt]は'enjoyable or attractive and making you feel happy'のことですから、deliciousは「味や香りが素敵で、とても幸せな気持ちになるような」ということになります。既にこのdeliciousという語の中には、「とても~」の意味が含まれているのでveryでは修飾しないと説明されることが多いです。
            △This dish is very delicious.

            [longman]にはこんな素敵な例文が載っています。
            'The meal was absolutely delicious,' she said politely.
            「美味しゅうございました」と彼女は丁寧に言った」
            veryだと意味がかぶるので、absolutely「絶対に」くらいの意味の形容詞を使いたくなるのでしょう。politelyとの組み合わせもぴったりですね。

            調べ物の最後に、とても頼りになる『Deep L翻訳』に、「この料理はとてもおいしい」を英訳してもらいました。結果は、
            This dish is very delicious. (代案)

            何事にも「絶対」はないのだなぁと深く感じました。

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